従業員に自主性を求めているだけでなく
会社自体もどこにも属さない独立性を持っている会社です。
そうでなくては自由に開発なんてできませんよね。
創業時は独立した企業として内燃機屋だったiBなんですが、途中から技術と設備を生かして大きな会社の仕事を受けられるようになっていったんですね。
自分が入社したころには今のような内燃機仕事は少なくて、下請け仕事が大部分でした。そして僕はその部門の仕事についていました。一所懸命に現場で技術も覚え、営業にも成功して仕事を増やして行きましたが、結果として下請け仕事が増えて行きました。
でも、途中で方針をはっきりと転換して脱下請けに成功しました。
今でも大きい会社からのお仕事はいくつかありますけど、合計しても金額で10%以下なので、いつなくなっても怖くはありません。
いまではいろいろ規制もされるようになっているようで、昔のようなことはないんでしょうけど、下請け企業にとっての親会社ってほんとうにきついんですよ。
ある時呼び出されて提示された仕事に、「この納期ではどんなに残業しても無理です!」って言ったら、
「井上さん、1日っていうのは24時間あるんだよ。」ってほんとうに言われましたものね。
つまり徹夜してやってもってこいってことです。
金曜日の夕方に呼びつけて月曜日の朝にもってこい、とか。
仕事の値段だって同じ仕事をやっているのに、毎年春になると5%・10%って値下げの要請が来るんです。
量産下請けをやっていると設備も人員も技術も、コストダウンの努力をして無駄を省くほどにその製品に特化していってしまうので、他の仕事ができなくなってしまうんです。そうするとどんな過酷な要求も飲まざるを得ません。
ある年の春には25%下げろって言われました! 頭にきて少しは困らせてやろうと思って、「それじゃ今月でやめます!」って言ったら、直ちに転注されてしまいました。うちが断るのを見越して先に転注先を用意してあったんです。
その時の量産仕事の70%くらいを失ったので、そのあとは地獄でした。
今はもうお付き合いはありませんが、Rというリングの会社の仕事でした。
いつか親会社の顔色を伺わずに仕事ができるようになりたい。
そう思ったものの、その時はそんなことは夢のような話でした。
でも、それから数十年経った今、iBはもうどこの大会社も怖くはありません。
遠方の大会社からプラトーホーニングの依頼があったりしますが、営業に行ったりももうしません。
なんでこないんだって言われて、一度は行きました。物凄い巨大企業でしたね。
結構な価格を受け入れてくれるなら、少量の受注はします。
うちの技術が必要なら手伝ってはあげますけど、依存を高めたくはないですから。
そうは言っても大企業に教えてもらったことも多いですけどね。
でも、iBはやっぱり自主独立した企業として、個人のお客様やバイクショップさんに喜んでいただける仕事をする方が断然いいや!そう思っているんです。
posted by sotaro at 10:51| 埼玉 ☔|
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iBってどんな会社?
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