2017年05月02日

柱の逃し測定結果

NSR250R シリンダー 再メッキ後 柱の逃し形状測定結果
あえて公開します!

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上はどちらか他社さんでおやりになったものです。お客様のご依頼があり測定しました。おそらく手持ちのリューターで加工したものでしょう。長さがまったく不足(柱の部分しか加工してない)で深さも不足、断面はヨレヨレです。
これでも焼きつかないんだなあ、と感心しますが、H社さんにこんなものを納めたら間違いなくロットアウト(全数不良)をくらうでしょうね。(^o^)

下がiBが加工したものです。柱の逃しの断面形状はこうでなくてはなりません。マシニングセンターでダイアモンドツールを使用し、図面のテーパー・直線・曲線Rの指定に正確に従って仕上げてあります。

NSR再メッキの仕事はiBの内燃機加工の仕事全体の1%にも満たない仕事です。
別に再メッキの仕事をウチに出してほしくてこんなデータを公開しているわけではありません。再メッキの仕事がやりたくて仕方がないわけでもありません。でも、再メッキをしなければ新品のシリンダーは7万円以上もすると聞いていますし、'88のシリンダーは入手不可能です。NSRを愛するかたがたに末長く乗り続けていただきたいから続けている仕事です。

上のような逃しでは、取り過ぎればメッキの剥離・加工不足な部分では抱きつき・焼きつきに至る可能性が高く、データ公開の理由はこんなシリンダーのバイクに乗るのは危険だろうと思うからです。

どうか、NSRを愛するかたがたのご理解をいただければと思います。m(_ _)m
posted by sotaro at 16:17| 埼玉 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | NSR再生技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

シリンダーの再生はこうなってます。

iBがNSRシリンダーの再メッキを承っていることはみなさんご存知だと思います。
これは当初30年近く前にNSRのサービスパーツの量産をHONDAさんから受注したときに、セットでついてきたものです。(^^)
量産を受けるからにはアフターサービスの方もやってもらわないと、ということでした。

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それにつけてもNSRシリンダーの生産に欠かせないのが「柱の逃し」技術です。

4ストのHONDAさんが2ストロークでレースバイク(始めはモトクロスから)を作ることになったときに、排気ポートに柱をたてることで一気に排気を吐き出せるポート形状(Tポート)を考えたことで、その後の2ストでHONDAさんが常にパワーでライバルに優位に立つことができていたわけです。
ところがこの排気ポートというのは熱が集中するので、内側に向かって柱が熱膨張してシリンダーとピストンが焼き付いてしまうという事態が頻発しました。この対策として考えられたのが「柱の逃し」です。

ファクトリーレーサー程度の数なら社内で加工できたのでしょうけれども、市販レーサーの分を量産するということになって社外でこれをやらなくてはならないことになり、数社が挑戦しました。iBもそのうちの一社でした。
当初M社さんがトライして2年かかってもできなかった加工をiBは半年ほどでできるようになってしまいました。この話はなんどもしているので省略しますが(笑)、そのおかげでHONDAさんのサービスパーツ全機種をiBで受注できたんです!
20世紀の間中iBは2ストの仕事で忙しくさせていただいたのもこの「柱の逃し」の技術のおかげと言えなくもない、そのくらい重要な技術なんです。(ま、それだけではありませんけど)

今はiB以外にも再メッキをやられるところがあるようですが、どうもこの柱の逃しをちゃんとやってあるのをみたことがありません。ここが正確にとれないといろいろ問題があります。一番はメッキ前とメッキ後で正確に同じ加工ができないと、メッキの厚さが均一にならない、ということです。厚さが部分的に厚かったり薄かったりするとメッキ剥離の原因になります。一見するとメッキがはがれていなくても、もともと0.07mm程度しかないメッキ層が部分的にどれだけ薄くなってしまっているのかをあとから見分けることはできません。そうでなくてもこの柱の部分はシリンダーの他のどの部分より過酷な条件(細い柱がピストンの拡張圧を一手に受ける)で剥離が起きやすい位置なのに、柱の逃しがうまくできていなければ焼き付きの原因になるのは明らかです。

この加工には現在は縦型マシニングセンターとダイアモンドツールが使われ、
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また加工後に形状測定器で200倍に拡大して検査をすることがどうしても必要です。このような設備がないとこの加工はできません。
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NSRの再メッキはぜひiBにお任せいただきたいと思います。メッキそのものもそうですが、メッキ後のダイアモンド砥石によるプラトーホーニング仕上げ、「柱の逃し」やポート面取り、逃し後のぼかしなど全てをHONDA純正の技術と精度で仕上げることができるのはiBをおいて他にはありません。ウォータージャケットのパイプも新品に交換します。

また、再メッキでは対応できない傷の深いシリンダーや柱にクラックが入ってしまったシリンダーについてはiB得意のICBM(R)でスリーブを創って再生することも可能です。これもiBならではですよね。
ICBM(R)は高価ですが、'88など新品が入手不能な場合にNSRでも何度かご用命をいただいた実績があります。

さらに将来的には昨日もご紹介した3DスキャンとCAD/CAMの技術でシリンダーそのものも削り出して創ってしまおうと考えています。現在モンキーシリンダーやRZ350初期型のシリンダーなどからトライを開始しています。
もともとiBはシリンダーアルミ鋳物をご支給いただいて、シリンダーを完成加工してきたのですから、CAD/CAMで鋳物以上の精度でだいたいの形さえ作れれば、そこからの上記のような内径仕上げを含めた完成加工はお手の物というわけなんです。

再メッキをはじめ、NSRのシリンダー加工はぜひiBにご依頼をいただけますよう、よろしくお願い致します! m(_ _)m


posted by sotaro at 09:30| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | NSR再生技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月24日

NSRクランク再生は、もうすぐこうなります!


MC18('88)クランクシャフトの分解組み立て動画です。昨日の大阪NSR Partyでも公開しました。
これ、もともとただの「絵」ではなくて、3Dデータなんです。
それぞれの部品をこのデータを使って削り出すことがもうすぐできるようになります。
すると、なにか起こるのか、、、、、!!!!!
それは、たいへんなことになるんです!!!  わはは。(^o^)

最近はクランク再生のご依頼をいただいてクランクシャフトを分解すると、コンロッドの大端部や小端部・クランクピン部に錆びや錆から派生した痛みが進んでいるものが多くなってきています。
MC18('89)以降MC21/MC28のコンロッドについてはiBでは画像のようにコンロッドをオリジナルで製作して在庫していますので、新品交換で対応できます。よそでコンロッドが傷んでいて直せないと言われた方もiBにおまかせください。
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ただ、MC18('88)だけはクランクピン径が1mm細いのでこのコンロッドが使えません。

また'89以降でもクランクピン部の損傷については他の程度のいい中古を探すより方法がありませんでした。
でも中古を見つけてもこれもまた同じ部分に痛みを抱えているものが増えてきているのが現状です。

そこで、ウェブとクランクピンの一体部品の3Dデータを作成したわけです。ついでにコンロッドや他の部品も3Dデータ化したものを加工して創ったのが、上の動画です。

さて、この'88用のウェブを削り出して作るときにクランクピン部を1mm太く('89以降と同じ太さに)創ってしまえば!!!
おお!'88用強化クランクのできあがり。しかもiBオリジナルコンロッドが使えてどんなに傷んだ'88クランクもコンロッドもクランクピンも新品にして強化クランクとして再生できる!!!!@_@
というわけなんですよ〜〜〜。  どうだ!!! わはは!

これは凄いでしょ?

いままで'88のクランクが再生できず泣いていたお客様。あと、もう少しです。
絶対に「もう'88NSRの再生はあきらめた!」なんて言わずにもう少し待ってください。
iBがなんとかします。もちろん'88のみならず全ての年式の痛みのひどいNSRクランクも再生可能になります。

コンロッドが痛もうが、クランクピン部が痛もうが、もう悩む必要はなくなる上に
たぶん、まだ手に入る後期の新品クランク14万円よりも安くできるんじゃないか、と考えています。

なにがiBにそこまでさせるのか。それはNSRのシリンダーを30年近く前に受注してそのことで今日まで食わせてもらったNSRへの感謝の気持ち、それに最初にNSRクランクの再生を実現させたiBのプライドでしょうかね〜。(^o^)

ぜひぜひ、ご期待くださいね〜〜〜!!(^o^)


posted by sotaro at 12:44| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | NSR再生技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする