2005年09月08日

プラトーホーニングの目指すもの

今年になって当社ではプラトーホーニングを一般のお客様へお知らせする活動を積極的に展開しています。
これがたいへん評判を呼んで、雑誌などでも多く取り上げていただいています。また、特にカートレースの世界では高い評価をいただきつつあり、全日本初戦の優勝などを含む好成績をあげることのお手伝いができているようです。
もちろんこのblogでご紹介しているUDA+VANCEチームの活躍にもプラトーホーニングが貢献をしています。思った以上の成果をプラトーホーニングがあげている事を社員一同とても嬉しく思っています。

ただ、プラトーホーニングやWPC+MOS2などがエンジンのパワーアップにつながるのは大きくても数パーセントから最大でも10%には届かない範囲だろうと思います。もちろんレースなどの極限の性能を追求する世界では数パーセントというのはとても大きな数字なのでしょう。でも、私たちがプラトーホーニングや表面処理などに託している思いは単に「パワーアップします」ということだけではありません。

当社の仕事の中でレース関係の仕事も一定のボリュームがありますが、それ以上に古いバイクのレストアや通常の街乗りでお使いいただくバイクのメンテナンスのためのボーリングや内燃機加工を多くやらせていただいています。
そのような使い道のエンジンにとってはプラトーホーニングなどを実施することにどんな意味があるのでしょうか。

実は私どもでは古いバイクやクルマのボーリング・ホーニングをされるお客様に、プラトー仕上げやWPCなどの表面処理をすることを強くオススメしたいと考えています。例えば70年代の古いトライアルバイクを私自身所有していますが、この時代のバイクはまだまだ内径の摩耗などが現代の技術で作られたエンジンよりは多いんです。

例えば、今自動車をお求めになって、自分が乗らなくなるまで仮に20万キロ乗ったとしても、エンジンが減ったのでオーバーホールをするという方がどれだけいらっしゃるでしょうか。自分自身の所有するフォードモンデオも既に22万キロほど走っていますが、エンジンに不調はありません。
しかし、当社が創業した当時にはエンジンというのは車検のごと(1万キロ走るたび)にオーバーホールするのが当たりまえだったのだそうです。
当社の創業から今日までの間に自動車の製造技術は長足の発展を遂げて、エンジンはその乗り物のライフの間は摩耗しないものになってしまったんですね。

これにはシリンダースリーブの素材の進歩、ピストンリングへのメッキなどの表面処理技術の発展、その他バルブ、バルブシート、バルブガイドなどエンジンのあらゆる部分の素材、表面処理、精密加工の技術が大きく進歩したことが貢献しているのだと思います。プラトーホーニングはそのような技術の中でも影響の大きなもののうちのひとつなのだ考えます。
ところが、一般にボーリング屋はあまりこのような技術開発の最先端には接してきていませんでした。当社はたまたま内燃機屋としての仕事だけでなく、部品生産の仕事もしているために、レース関係の部品製作などや大メーカーの量産部品の製作にも携わる事ができたおかげで、このような技術に触れる機会がありました。そこで習得した技術を一般のお客様向けのボーリング屋の仕事にも転用しようという試みを始めたのです。その第一号がこのプラトーホーニングということになります。他にも製造技術を利用して2ストスリーブをマシニングセンターで削り出したりコンロッドやバルブの製作にも挑戦しているところです。
このようなことを通して私共がいったいなにをしようとしているのか、それを端的に言うと、可能な限り新しい技術を内燃機の仕事に投入することによって、「古いエンジンにも現代のエンジンと同じようにスムーズに回り、長持ちするようになって欲しい」ということなんです。
古いエンジンにはどうしてもその時代の技術の弱点が内包されています。例えば、スリーブの素材が悪ければ、現在入手できる高耐摩耗の鋳鉄でスリーブを作り直す、そこにプラトーホーニング仕上げを施せば、長い間調子のいい状態を保つ事ができるのではないか。当時のピストンやリングを使うにしてもそこにWPC&MOS2などの処理を施せば、はるかに耐久性があがり、
「現代のエンジンと同じように長いライフを楽しめるのではないか」
ということ。実はこれこそが私たちが一番望んでいる事なんです。

もちろんレースなどでのパワーアップも効率のいいエンジンであることの証明にはなりますが、そこで終わらずにぜひ多くの方に、上に書いたような意味でのプラトーなどの意義をご理解いただいて、ご用命の時の判断に役立てていただければ、私どもにとってこれ以上ありがたいことはありません。
どうか、ご参考にしていただきたいと思います。

なお、プラトーホーニングそのものにつきましては下記をご参照ください。
http://ibg.seesaa.net/article/1742381.html
http://www.ibg.co.jp/
posted by sotaro at 10:08| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月19日

最新バルブシート研磨機導入!!

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スイス製 MIRA社 CENTRONIC VMX-2000

バルブシートリフェーサーを設備更新しました。
独特の高精度な芯だし機構を持つMIRA社のバルブシート研磨機です。今まで以上にシートカットの作業効率が向上し、高精度な加工ができることが期待されています。

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バキュームテスターも完備。

バルブシートカットが適切に行われたかどうか、光明丹でのチェックだけでなく、負圧をかけることでその場でチェックする事ができます。

当社では特殊な加工や新技術の開発にも積極的に取り組んでいますが、日常の仕事の大部分は実はこのような通常のバルブシートカットやボーリング・ホーニング、クランクの芯だしなどの普通の仕事です。
その部分でもしっかりとした加工を能率良くやって行く事が仕事の基本だと思います。そのためにも必要に応じてこれからも設備投資を行って、精度の高い仕事を効率よくできるように努力していきたいと考えています。

実を言うといままで使ってきたバルブシートリフェーサーは僕が会社に入ってすぐに購入を決めたもので、いつの間にやらそれから20年近い月日が流れてしまっていました。もちろん、いままでの機械でも精度は出せるのですが、多少老朽化した部分を技師の腕でカバーしていたことは否めません。これからは今まで以上に正確で素早いバルブシートの中心位置の「芯だし」ができるようになります。

シリンダーヘッドのオーバーホールをお考えのお客様は、安心して加工を(株)井上ボーリングにお任せください!!
よろしくお願いします。
posted by sotaro at 16:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

WPC&モリブデンショットについて

当社のプラトーホーニングのご紹介と合わせてWPC&モリブデンショットをご紹介する機会が増えています。
また、プラトーホーニングとWPC&モリブデンショットは相性がよく、お互いの効果を補完するような関係で非常にいい組み合わせではないかと思います。

といっても私自身はまだまだWPCなどについて勉強中でして、お客様からの質問に御答えするにもエヌイーさんの助けを借りる事もしばしばです。
ぜひ、エヌイーさんのホームページも参考にしてください。
http://www.ne-jp.com/wpc/

特にモリブデンショット(MOS2)の驚異的な現象として「刷り込み現象」というのがあります。
当初のモリブデン層が2μで、その部分が5μ摩耗したとします。当然モリブデン層はなくなってしまうと考えますが、
実際にはまだ2μのモリブデン層が残る!というんですね。え”〜?!計算が合わないじゃないか、と思いますが、
これがそうなるんだそうです。

僕が必死になって理解を試みたところ、どうやらモリブデン層というのは僕がイメージしていたような、金属表面全体をモリブデンが覆っているような状態を言うのではなくて、金属表面にある割合でモリブデンが突き刺さっているような状態を言うようです。その状態で十分な効果があるんですね。(正確には溶融して再結晶化している、というらしいですが)
この面が相手と摺動して摩耗していく間に、モリブデンはさらに奥に「刷り込み」されて、というか押し込まれて(?)いって、金属の奥の層に入って行くんじゃないかと思うんですね。
これだとなんとなく状況が理解できませんか?
この説明であっているのかどうか、一度エヌイーさんにもまた確認しておきます。

いずれにしてもこの「刷り込み」現象によって、モリブデンショットの効果はエンジンのライフよりは長く
「半永久的に」持続すると説明されているようです。
お客様からベンチテストで計測して、(他の条件は変えず)出力が7%程向上した、というデータもいただきました。
アイドリング回転数があがったなどの感触、ライバル車に取り残されていたのがぴったり付いていけるようになった、というようなご報告もいただいています。

ぜひ、一度ご自身のエンジンでプラトーと合せてWPC&MOS2の効果をためしてみませんか?
ご用命をお待ちしています。
posted by sotaro at 08:53| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月25日

ブラケット削り出し加工

image/ibg-2005-05-25T16:29:52-1.jpg

アルミ材のかたまりからブラケットの削り出し加工をしました。
なかなかきれいにできているでしょう?(^^)

マシニングセンターで加工を行う典型的なワンオフのパーツです。
様々なパーツをフレームやフロントフォークなどに固定するためにご利用いただくことが多いようです。
今回は個人の方でしたが、たいへんにわかりやすい図面をパソコンでプリントアウトしていただきました。
図面通りに作成して、相手部品ともぴったりあっているようでした。素晴らしい。

ただ、そこまでしていただかなくても、かんたんなスケッチやサンプル・相手の部品
などがあれば加工できますので、いろんな場面でお役にたてていただければと思います。
なんか、自分で絵を描いて、その通り金属の部品ができあがってくるのって、
なんとなく楽しいですよ。(^o^)

ぜひご利用ください。

posted by sotaro at 16:29| 埼玉 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月06日

H1 コンロッド

image/ibg-2005-04-06T11:26:08-1.jpg
一番左は熱処理前、あとの3本は熱処理をしたものです。
image/ibg-2005-04-06T11:24:21-1.jpg
熱処理による変形がないかどうかチェックをしてみましたが、問題なし。

コンロッドが熱処理から上がってきました。
硬度も予定通り必要なところは上がり、アーム部分などは防炭処理が効いて予定通りの硬度であがっています。
なんだか拍子抜けするぐらい順調です。(^o^)

このあと端面と内径を研磨・ホーニングして、最後にWPC加工を予定しています。
かなりカタチになってきましたねー!!(^^)
posted by sotaro at 11:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月25日

面粗度測定

image/ibg-2005-03-25T17:45:52-1.jpg

プラトーホーニングのご依頼がどんどん増えています。
その加工に絶対必要なのがこの面粗度測定。
縦方向の感度だけを2000倍に拡大して、肉眼には真っ平らでいくらかクロスハッチが見えるに過ぎない
シリンダーの内径面をぎざぎざのグラフにして表現することができます。

プラトーホーニングのご指定をいただいたシリンダーには納品時この測定結果のグラフを
添付して差し上げています。
目で見ただけではプラトーの仕上げ状態を確認することはできませんからね。
高価な加工を承った結果を少しでも確かめていただけるように、という工夫です。
posted by sotaro at 17:45| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月24日

H1 コネクティングロッド

IMG_5539.jpgIMG_5541.jpg

KAWASAKI H1のコンロッドが入手できない、というお話を聞きました。
前から一度やってみたいと思っていたので、それではいい機会だからということで削り出す事にしました。(^^)
素材はSCM420の鍛造の塊を特注して入手しました。
春先で通常の仕事が忙しくなって、つい後回しになってたんですが、
やっとここまできました。

左の写真の一番左が純正サンプル
2番目が粗引き状態
3番目が熱処理前の状態で
一番右は鍛造の素材です。

このあと防炭処理をして熱処理に出し、そのあと端面と内径を研磨します。
WPC加工も予定していますので、完成にはまだ少しかかりますが、
一応経過報告です。

形状はH型断面になっており、重量は純正品と同等になっています。
当社としては軽量高性能というよりは、耐久性、剛性の点で純正を上回るもの、を目指しています。

H1のコンロッドが完成すれば、他のさまざまなコンロッドも削り出しで製作できることになります。
当社ではロング部品さんのご協力で多くの機種のコンロッドを入手できますが、それでもH1のように
手に入らないものもあります。
そんな場合でも削り出しで対応できれば、あらゆる機種のクランク再生が可能になります。

今後お客様からご要望があれば、いろいろな機種でトライしてみたいと思いますので
ご要望をいただければと思います。
posted by sotaro at 10:27| 埼玉 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月11日

超低摺動抵抗エンジン(1)

水素バイクという夢のような開発(?)の話しばかりをしていますが、
当社では実はそれ以外にも、いまとても力を入れて開発していることがいくつもあるんです。
そのうちの一つをご紹介しましょう。

今一番期待しているのが表題の、エンジンの摺動抵抗をうんと減らそう、という製品です。
製品というよりは技術の組み合わせということになるかもしれません。

先日来、「プラトーホーニング」の技術をご紹介をしたところ、たいへんご好評をいただいています。
ほんとうにありがとうございます。これはシリンダーの内径の仕上げに関する機械的な仕上げ方法としては
かなり優れた技術だ、と自負していますが、これはエンジンパーツの中のシリンダーだけの話しであって
エンジン全体を考えると少し片手落ちな感じがします。

擦れて動くのはシリンダーとピストン、ピストンリングであって、シリンダーだけでは完結しないことになります。
馴らしの短縮という意味ではアルミのピストンのスカート部を細かいペーパーで磨くというようなことでも
効果は得られるようですが、摺動抵抗の低減という点ではもの足りません。

そこで、現状はピストンへのWPC&モリブデンショット加工をお奨めしています。
シリンダーのプラトーとピストンへのWPCでかなりの成果が得られるのではないかと思います。

でも、あとひとつ残っているものがあります。それはピストンリングです。
ピストンリングには通常クロームメッキ等がされて、昔に比べればはるかによくなっていて、
ある意味これがボーリング屋の仕事を減らしてきた、とも言えるかもしれません。(^^;;;
シリンダーが減りにくくなったんですね。

そんなこともあって、いままではあまりこの部分については、大きな興味を持ってこなかったんですが、
最近になっていろいろなコーティング技術が開発されているのを知り、がぜんリングに興味が湧いてきました。
なんと最新の技術でリングにコーティングをすると、エンジンの摺動抵抗を10%も低減できるというんです!
そこへさらにコーティングに合わせた特殊な内径仕上げホーニングをすることで、
その低減がトータルで20%にもなるということなんですねー!!
これはすごいことになってきました。

しかもまだこの技術は大メーカーでさえ、採用していない技術です。コストの問題もあるのでしょう。
量産性に優れた技術ではないのかもしれません。

長くなりますので、また次回ということにしたいと思いますが、最近お客様からニカジルメッキのご要望が
多くなっていまして、技術的にはあらゆるエンジンに適応可能なものの、コスト的にほとんどの場合
引き合いません。(電極製作費40万円、ダイヤモンドホーニング砥石が十数万円などの初期投資が必要)

ところが、このコーティングをすることで、メッキシリンダー以上に優れた低摺動抵抗で耐久性のある
エンジンを作ることができることがわかってきました。
しかもメッキの場合のような初期投資を必要としないんです!!
乞うご期待です。(^o^)



posted by sotaro at 11:38| 埼玉 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月07日

ブレーキピストンの画像

Brpiston.jpgブレーキピストン

先日加工したブレーキピストンの画像をモトメンテナンスの田口編集長からいただきました。
えらくキレイに撮れてますね。

こんな感じで研磨仕上げして、ピストン流用することができました。
サンプルをもとに新規にステンレスで製作することも可能ですので、
ブレーキピストンが入手できない、というような場合にはご利用ください。
posted by sotaro at 08:53| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月28日

ブレーキピストン

先日、モトメンテナンスの田口編集長さんのご依頼で、ディスクブレーキのブレーキピストンの
研磨加工をやりました。
今回は田口さんが、別の機種のブレーキピストンを探して来られたので、この外径を研磨するだけで
サンプルと同じピストンを作ることができました。

現状、このブレーキピストンが入手できない、という機種が多いということを教えてもらいました。
もし、お客様の中でこのブレーキピストンが入手できなくてお困りの方がいらっしゃいましたら、
ご相談ください。

上記のように流用できるものがあれば、カンタンに作る事ができますし、もしそのようなピストンが
見当たらなければ、SUS(ステンレス)の素材から削り出すことも特に難しいことではありません。
形状や大きさもさまざまなようですので、サンプル(錆びて虫食いなどになったもの)があれば
それに合わせて削り出し致します。お見積もりしますので、お気軽にお問い合わせください。
posted by sotaro at 09:09| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月30日

柱の逃がし

image/ibg-2005-01-31T14:02:03-1.jpg少し色のちがう部分が見えますか?

「柱の逃がし」と呼ばれている加工があります。
これはH社の高性能2ストシリンダーに特有の加工です。H社のシリンダー、特にレース用のものは
排気ポートを可能なかぎり大きくとるために、排気ポートが左右ふたつにわかれています。

このことによって2ストの排気ポートは直径の67%までと言われるポートの横幅方向の限界を超えた
大きなポートを実現しています。写真でも排気ポートが掃気ポートの上(手前)側で横方向に回り込んで
いるような形状がご覧いただけると思います。

そこで問題になるのが、2つの排気ポートの間に残った通称「柱」です。
ここが排気熱で熱膨張してピストン側にでっぱり、焼き付きの原因になるんですね。
それを避けるためにこの部分を熱膨張係数にしたがって、微妙に逃がす加工をやります。
これが「柱の逃がし加工」です。

その昔H社さんが2ストでレースに進出したあと、この部分の設計加工には苦労されたようなんですが、
関連のM社で2年にわたってトライした加工を当社は半年で加工可能にしてしまいました。
当初はNC旋盤でやりましたが、現在は他の穴加工等と一緒にマシニングセンターで仕上げてしまいます。
これができたおかげで当社は長い間H社さんのレース部門から2ストシリンダーを発注していただくことが
できたんですが、2ストシリンダーがなくなりつつある今、そんな話しも今は昔、ですね。

ですが、その当時からの技術の蓄積がありますから、当社ではこの加工を問題なくやることができます。
鋳鉄シリンダーはもちろんニカジルメッキ後の加工もおまかせください。

関連してポートの面取仕上げ加工についてもレース用を含めて対応できる技師がおります。
このポート面取加工だけでも何馬力もパワーに差がでるということで、ずいぶん厳しいご指導を
いただいたので、これについても自信を持ってお引きうけいたします。

どうぞ、ご利用ください。
posted by sotaro at 14:02| 埼玉 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シリンダーのメッキについて

当社では下記のシリンダーについてメッキによる再生が可能です。

ホンダ CR80/125/250・RTL・RS125/250・NSR250
その他 スズキ・カワサキ・GASGAS・ベータなどの一部機種。

下記のヤマハ関連は実績がありますが、納期予定ががまったくたたないので現在はお断りしています。
ヤマハ YZ125/250F・YZ400F/WRF400F・YZ426F・TZR250

価格例;
RS 125  メッキ剥離、再メッキ、ホーニング、柱の仕上げ加工を行って税込み29,400円

メッキによる再生の一番の問題はその機種に適合したメッキ用電極がないと、メッキができない点です。
技術的にはあらゆるシリンダーにメッキは可能なのですが、この電極を作成するのに機種によって
数十万円の費用が必要です。
ということで、現実的にはすでに電極の用意がある上記のような機種に限っての対応となっています。

メッキの工程は剥離工程を除いて、すべてメーカーによる量産加工と同一の工場・工程で行われます。
品質についての問題が生じた事はありません。
柱の逃がし加工は当社社内にてマシニングセンターで行います。これもホンダの2スト補用シリンダーの
全てを手がけた当社が得意とする技術です。

シリンダー再メッキについて詳しく知りたい方はお問い合わせください。
posted by sotaro at 11:04| 埼玉 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月28日

プラトーホーニングのご紹介

ボーリング後のホーニング仕上げの技術でプラトーホーニングというものがあるのをご存知でしょうか。

表面処理などによらず、機械技術でできる加工としては極めて精巧なもので、
エンジンの内径仕上げ技術として大きなメリットもあります。

まずは画像をご覧ください。
image/ibg-2005-01-28T09:32:59-1.jpg

上が第一工程のホーニングを終えた内径を面粗度計で測定したグラフです。
下は仕上げのプラトーホーニングを終えた内径のグラフです。
(条件によってはホーニングを3工程でおこないます。)
このグラフですと、下側がスリーブでピストンは上側を摺動することになります。

上のグラフは全体に面粗度が粗いのと同時に上側にとがっているところがあるのがわかると思います。
一方、下のプラトー後の表面はピストンが摺動する面がずいぶん平らになっていますね。
その上、下側には尖った谷がところどころにちゃんと残っています。

プラトーというのは高原という意味です。このグラフの形状が尖った山でなく、高原状になっていることを
指しているのでしょう。
この結果ピストンが摺動する面は平滑で、しかも深い谷が残ってオイル溜まりの役割も果たすという
理想的なシリンダー内径を最初からつくることができています。

通常のホーニング加工を終えたままのシリンダーは上のグラフのようなものです。
慣らし運転をちゃんと丁寧にやっていくと、尖った山の部分が摩耗して、下のグラフのようになるわけです。

実際は通常のホーニングはプラトーの第一工程よりはもう少し細かく仕上げます。
上のグラフは面粗度の単位で5Sくらいですが、通常のHGは3Sくらいに仕上げています。
プラトー後の高原部分のみは 0.4Sくらいになっています。(約1/10ですね)

プラトーホーニングの実際的なメリットとしては
1.馴らし運転の時間を大幅に短縮できる。またはなくすことができる。
2.精度が高いため、ピストンクリアランスを最小限に設定でき、パワーアップが見込める。
3.摺動抵抗が少なくエンジンのピックアップが向上する。
4.オイル溜まりが深く焼き付きにくい。
5.エンジンの初期摩耗が少なく長持ちする。
と言われています。

大きな自動車メーカーでは量産時に既にこのような仕上げがおこなわれています。
最近クルマを買っても馴らし運転の必要がなくなっている理由のひとつが、このプラトーです。
シリンダー内径とピストンというのは、エンジン内の最大の摺動部分ですからね。

まー、加工する立場でいうと、そうとうめんどくさいです。(^^;;;
なにしろ、下穴のボーリングから真円度を高くし、寸法管理をしっかりしないといけません。
第一工程のホーニングも適度に粗くしかも下穴として寸法がしっかりできていないと、
仕上げ後の谷の残り具合がかわってしまいます。
ここまでがしっかりできれば、仕上げのホーニング自体は面粗度をあげて最終寸法をしっかり出せば、
理想的なプラトーの内径ができることになります。仕上げには専用の特殊な砥石を使います。

よそのボーリング屋さんやチューナーさんでもプラトー仕上げを謳っているところはありますが、
ちゃんとやってるところはどうも少ないように思います。
プラトーホーニングを単なる「細目の仕上げ」としてカタログに載せていたり、
(焼き付いてもしらないよー)ちょっと話しを聞いたら
面粗度計を持っていない、なんていうところもありました。そんなんでプラトーができるわけがありません。

ウチではちゃんとしたプラトーホーニングをやりますよ!
ご希望の方はぜひ「プラトーで」とご指定ください。

値段は現在キャンペーン中で、低めの設定をしております。
通常のボーリング・ホーニングより3割ほどは高くなりますが、
大事な愛車のエンジンに最高の加工技術を投入してみる、というのもいいんじゃないでしょうか?!
馴らしも楽ですしね。

INOUE BORINGのプラトーホーニング、ぜひお試しください。
posted by sotaro at 09:32| 埼玉 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月27日

こんな大きいのもやりますよ!

image/ibg-2005-01-27T15:55:58-1.jpg4,000cc 6気筒

当社はバイク専門ではありませんよ、って下でも書きましたが、ちょうどこんなのが入っていました。
4千cc 直列6気筒のシリンダーブロックです。
これはフォークリフト用らしいですね。
コンピュータ制御の縦型マシニングセンターで加工しています。

同じ機械でフェラーリの8気筒なんかもやります。

4輪エンジンの加工は難しいことはないですけど、やっぱり重たいのでその点がたいへんです。
それにブロックも高いものでしょうから、万が一失敗したらえらいことですね。
いや、失敗なんかしませんけどね。(^o^)
posted by sotaro at 15:55| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2ストシリンダー用スリーブ製作

image/ibg-2005-01-27T16:44:53-1.jpgimage/ibg-2005-01-28T19:38:38-1.jpg
ガラスの向うからこちらに向って突き出ている銀色のものが主軸についたエンドミルです。
手前に立っている治具の上に加工の終わったスリーブが乗っています。
加工をする時はガラスのドアが開いて、スリーブはテーブルごと中に入っていくんです。
スリーブが角度を変えるのと同時にエンドミルも弧を描いて動き、ポートの窓をあけていきます。

image/ibg-2005-01-27T15:19:52-1.jpgimage/ibg-2005-01-27T15:33:20-1.jpg
RZ350用削り出しスリーブ

(株)井上ボーリングでは2スト用のシリンダースリーブの削り出し加工も行います。

・めいっぱいボーリングして使い込んだシリンダーでもうオーバーサイズピストンがない。
・絶版バイクでSTDピストンしかない。
・メッキシリンダーでキズがついて再メッキできないため、鋳鉄スリーブに変更したい。
・もう一度シリンダーをSTDサイズに戻して、末長く使用していきたい。

このような場合にはスリーブの製作・入替えが有効です。
多くの内燃機屋さんが4ストのスリーブは製作しますが、2ストはまずやりません。
ポート穴の加工が困難で、高い技術と経験が必要だからです。
当社ではこのポートを横型マシニングセンターを用いてスリーブを回転させながら、一工程で加工してしまいます。
シリンダーそのものを持ち込んでいただけば、当社で採寸してスリーブを製作します。
その後、シリンダー内径拡大、スリーブ挿入、ボーリング、ポート面取、ホーニング、シリンダー面研など
すべての作業を行って、1シリンダー60,000円程で加工致します。(機種によります。)

シリンダー再生の最後の手段として、ぜひご利用ください。
posted by sotaro at 15:21| 埼玉 🌁| Comment(6) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月19日

ドリーム50ビッグバルブ加工

image/ibg-2005-01-19T16:38:34-1.jpg今回はシートリングもビッグ

ドリーム50のビッグバルブ加工は当社の得意な加工のひとつとして、たくさんの
4ストミニファンの皆さんにご利用いただいています。

通常はシートリングの入替えをしないカタチで加工費を安く設定させていただいています。
(税込み29,400円)

今回はレースで繰り返しハードな使用をされるお客様のご要望でシートリングをベリリウムカッパーで
製作してシートリングもビッグにする加工を施しました。

シートリング入替えなしでも数レースの使用に十分耐える実績がありますが、
さらに酷使する場合にはシートリングも交換する事をお奨めしています。
こちらは税込み58,800円で承っています。

バルブを入れてないほうで、シートリングが見えると思いますが、バルブが入れてあるほうでも
バルブの傘の外側にかすかに金色のリングが見えていると思います。

ベリリウムは熱伝導性・潤滑性に優れるため、ビッグ化と相俟ってさらにシートリングの
変形の可能性を小さくしています。

レースで極限の使い方をされるお客様はコストは倍になってしまいますが、ご利用をご検討ください。
posted by sotaro at 16:38| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エンジンバルブのスリム化

image/ibg-2005-01-19T11:42:41-1.jpg旋盤で

エンジンのバルブをスリムにする加工です。
傘に近い部分のステムを1mm細くするんですが、これだけでも吸排気の効率がずいぶんちがう
らしいですね。軽量化にもなります。
機種などは秘密です。(^^)

旋盤で、ステムをブッシュを介してコレットで掴み、傘の部分をチャックで掴んで
同芯が出るようにしています。
他にバルブ研磨機を使って砥石で仕上げる方法もあります。
posted by sotaro at 11:42| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月17日

モト・メンテナンス編集長から-「ボルトの折れ込み」

モト・メンテナンス誌の田口編集長から投稿をいただきました!!

題名/ クランクケースの加工をお願いしました。
投稿者/ モト・メンテナンス編集部 田口勝己

kh500写真はクリックすると別窓で大きく見られます。

 井上ボーリングスタッフのみなさん、そして井上社長、奥様、いつもお世話になっております。先日、クランクケースの加工をお願いした際の写真と一緒に、撮影の際に、加工職人さんから聞いたお話を、いくつか書かせていただければと思い、メールを差し上げました。井上ボーリングさんにお仕事を依頼しているユーザーさん、そして、このWEBコーナーのファンのみなさんにとって、以下の内容は参考になるものだと思います。

 実は今、カワサキ3気筒のエンジンオーバーホールを実行中で、エンジン分解の際に、シリンダーのスタットボルトを折ってしまいました。もちろん、クランクケースを十分に温め、適正工具で作業を進めましたが‥‥。折れて埋まったままのボルトを、エキストラクターなどを使って取り除こうと思いましたが、今ひとつ修理精度に自信が無かったので途中であきらめ、井上ボーリングさんに作業をお願いしました。

 さすがに職人さんの手際は良く、治具ボーラーにセットされたクランクケースは、すぐさまシリンダベース面の水平出しおよびボルトの位置関係が測定されました。そのデータをもとに、折れてしまったスタットボルトのセンターに向けてエンドミルが切削開始。作業はスムーズに進み、スタットボルトのネジ穴は見事に修正されました。スタットボルトは、シリンダーベース面に対して直角に立っていなくてはいけません。斜めに立っていると、シリンダーが組み込めなくなってしまうのです。僕がボルトの抜き取りを断念したのは、折れたボルトを取り除けても、ネジ穴がゆるくなったり、失敗してネジ穴が斜めになっては大変だと考えたからです。

 職人さんに「このような修理加工は多いのですか?」と聞いたら、興味深い返事をいただきました。「ボルトの折れ修理はけっこうありますが、自分で修理しようとしてドリルを折ってしまったり、タップでさらおうとしてタップを折ってしまっているケースがけっこうありますね。こうなると、修理加工も大変なんです。ただ、ボルトが折れているだけなら見通しがつきますが、硬いツールが折れて埋まっていると、削りたくても上手に削れなくて、時間も倍以上掛かってしまいます。」というお話しなのだ。つまり、ボルトが折れてしまったら、慌てて修理するのではなく、手をつけずにそのまま持ち込んだ方が正解なんですね。状況によれば、ヘリサートやスプリューを使わないで、もとのネジ山をそのまま使えることもあるらしいです。逆に、ダメージが大きいと、ネジ穴周辺に大きなネジ山を立て、それにアルミ棒を締め付けて面切削を行い、それからようやくスタットボルトのネジ山作りになるという例も少なくないそうです。

komahayashi

 ということで、エンジンの分解や組み立て時にボルトを折ってしまったら、無理せずにプロにお願いした方が良いと思います。みなさんのご参考になれば幸いです。

追伸●えっ? 何故、カワサキの3気筒なのか‥‥??? 実は、憧れのレインボーを買ってしまいました。ただ今、超特急でレストア中なのです。今回の折れたネジ修理を含めて、この詳細は、モト・メンテナンス別冊の絶版生活003(発売日調整中)でリポートしますので、ご期待ください!! 最後になりましたが、井上社長、ありがとうございました。

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田口さん、ありがとうございます!
まるで雑誌の記事をそのまんまいただいたようで、恐縮してしまいます。(原稿料もでないのに!)(^^;;
この投稿で興味を持たれた方も、「絶版生活」買ってくださいね!オモシロそうですよね。
楽しみです!!
posted by sotaro at 11:03| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月16日

ダミーヘッドつきボーリング・ホーニング

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ダミーのヘッドとベースをつけてマシニングでボーリング中

久しぶりにレース以外の話題です。(^^;;;

ハーレーダビッドソンのシリンダーについてはよくダミーつきの加工の依頼をいただきます。
アルミの大きなシリンダーなので、やはり変形量が通常のシリンダーよりは大きく
ダミーを使用する効果も高いようです。

ハーレーについては当社でダミーヘッドの用意があるので、それを使用して加工します。
クランクケースからシリンダーを貫通するボルトが出ているタイプのため、
クランクケース側のダミーとダミーヘッドがあってボルトで締め付けてボーリングし、
それを外さないまま機械を移動し、ホーニングを行います。

金額は3,000円プラスになりますが、精度を求める場合には必要な加工方法と言えるでしょう。

お客様の要求があれば、ハーレー以外でもダミーヘッドを使った加工を致しますので、
ご相談ください。
posted by sotaro at 14:08| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月25日

燃焼室加工できました

image/ibg-2004-08-25T16:04:11-1.jpgこんな感じ

奥が加工前の鋳肌のもの、手前がNC加工後です。
あとはお客様に燃焼室容積を確認したいただければ、完了ですね。
posted by sotaro at 16:04| 埼玉 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする