今年になって当社ではプラトーホーニングを一般のお客様へお知らせする活動を積極的に展開しています。
これがたいへん評判を呼んで、雑誌などでも多く取り上げていただいています。また、特にカートレースの世界では高い評価をいただきつつあり、全日本初戦の優勝などを含む好成績をあげることのお手伝いができているようです。
もちろんこのblogでご紹介しているUDA+VANCEチームの活躍にもプラトーホーニングが貢献をしています。思った以上の成果をプラトーホーニングがあげている事を社員一同とても嬉しく思っています。
ただ、プラトーホーニングやWPC+MOS2などがエンジンのパワーアップにつながるのは大きくても数パーセントから最大でも10%には届かない範囲だろうと思います。もちろんレースなどの極限の性能を追求する世界では数パーセントというのはとても大きな数字なのでしょう。でも、私たちがプラトーホーニングや表面処理などに託している思いは単に「パワーアップします」ということだけではありません。
当社の仕事の中でレース関係の仕事も一定のボリュームがありますが、それ以上に古いバイクのレストアや通常の街乗りでお使いいただくバイクのメンテナンスのためのボーリングや内燃機加工を多くやらせていただいています。
そのような使い道のエンジンにとってはプラトーホーニングなどを実施することにどんな意味があるのでしょうか。
実は私どもでは古いバイクやクルマのボーリング・ホーニングをされるお客様に、プラトー仕上げやWPCなどの表面処理をすることを強くオススメしたいと考えています。例えば70年代の古いトライアルバイクを私自身所有していますが、この時代のバイクはまだまだ内径の摩耗などが現代の技術で作られたエンジンよりは多いんです。
例えば、今自動車をお求めになって、自分が乗らなくなるまで仮に20万キロ乗ったとしても、エンジンが減ったのでオーバーホールをするという方がどれだけいらっしゃるでしょうか。自分自身の所有するフォードモンデオも既に22万キロほど走っていますが、エンジンに不調はありません。
しかし、当社が創業した当時にはエンジンというのは車検のごと(1万キロ走るたび)にオーバーホールするのが当たりまえだったのだそうです。
当社の創業から今日までの間に自動車の製造技術は長足の発展を遂げて、エンジンはその乗り物のライフの間は摩耗しないものになってしまったんですね。
これにはシリンダースリーブの素材の進歩、ピストンリングへのメッキなどの表面処理技術の発展、その他バルブ、バルブシート、バルブガイドなどエンジンのあらゆる部分の素材、表面処理、精密加工の技術が大きく進歩したことが貢献しているのだと思います。プラトーホーニングはそのような技術の中でも影響の大きなもののうちのひとつなのだ考えます。
ところが、一般にボーリング屋はあまりこのような技術開発の最先端には接してきていませんでした。当社はたまたま内燃機屋としての仕事だけでなく、部品生産の仕事もしているために、レース関係の部品製作などや大メーカーの量産部品の製作にも携わる事ができたおかげで、このような技術に触れる機会がありました。そこで習得した技術を一般のお客様向けのボーリング屋の仕事にも転用しようという試みを始めたのです。その第一号がこのプラトーホーニングということになります。他にも製造技術を利用して2ストスリーブをマシニングセンターで削り出したりコンロッドやバルブの製作にも挑戦しているところです。
このようなことを通して私共がいったいなにをしようとしているのか、それを端的に言うと、可能な限り新しい技術を内燃機の仕事に投入することによって、「古いエンジンにも現代のエンジンと同じようにスムーズに回り、長持ちするようになって欲しい」ということなんです。
古いエンジンにはどうしてもその時代の技術の弱点が内包されています。例えば、スリーブの素材が悪ければ、現在入手できる高耐摩耗の鋳鉄でスリーブを作り直す、そこにプラトーホーニング仕上げを施せば、長い間調子のいい状態を保つ事ができるのではないか。当時のピストンやリングを使うにしてもそこにWPC&MOS2などの処理を施せば、はるかに耐久性があがり、
「現代のエンジンと同じように長いライフを楽しめるのではないか」
ということ。実はこれこそが私たちが一番望んでいる事なんです。
もちろんレースなどでのパワーアップも効率のいいエンジンであることの証明にはなりますが、そこで終わらずにぜひ多くの方に、上に書いたような意味でのプラトーなどの意義をご理解いただいて、ご用命の時の判断に役立てていただければ、私どもにとってこれ以上ありがたいことはありません。
どうか、ご参考にしていただきたいと思います。
なお、プラトーホーニングそのものにつきましては下記をご参照ください。
http://ibg.seesaa.net/article/1742381.htmlhttp://www.ibg.co.jp/
posted by sotaro at 10:08| 埼玉

|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
加工のご紹介
|

|