2005年10月21日

RZ350R

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GenさんのRZ350Rにフルカウルがつきました!

実は今週末筑波で選手権レースがあって、それにこのマシンでエントリーしているそうです。
フルカウルの装着にあわせてペイントも一新、恥ずかしいほど大きく「井上ボーリング」とロゴも入れてくれたんですね。(*^^*)

今回は新しいマシンも出るクラスということで、鉄フレームのマシンであるRZRでは厳しいものもあるようですが、無事に納得のいく走りをみせて欲しいものです。
今回は応援にいかれなくて、すみません。(まだまだウェイクボードのシーズンなもので^^;;;)

頑張れ!GENさん!!
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2005年10月31日

ビートブロック完成!

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真ん中のシリンダーだけは鋳鉄スリーブのまま。

アルミのスリーブに対して一ヶ所はピストンとリングにWPC+MOS2処理を予定しています。

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圧入しました。まだホーニング前です。

今日ホーニングが終わってブロックが完成します。
ヘッドの方もシートカットが終わっているので、いよいよエンジン組立が始まります。
ロデオさんのご都合もあるので、まだまだ先ですが、11月中には完成するものと期待しています。
あー、待ち遠しい。
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2005年11月08日

MOTO MAINTENANCE DREAM110

モトメンテ田口編集長のDREAM110のヘッド加工をお手伝いしました。
その内容が詳しく紹介されています。

http://www.hobidas.com/blog/moto/moto4/archives/2005/11/110_1.html

溶接肉盛りされて埋まった状態の燃焼室をサンプルを3次元測定器で測定して、形状をCADに移し、
マシニングセンタで削り出します。
ただ、細部まですべてマシニングでやるとあまりにもコストがかかりすぎてしまうので、ツールパスを少し省略してエアリュータで仕上げています。最終的には田口編集長自身が磨いて仕上げるということです。

バルブシートリングはもちろんベリリウムカッパーから削り出し。プラグ穴・ネジと同時加工で仕上げました。
写真もきれいにでていますので、ぜひ上記のリンクをたどってみてください。
レースでの活躍、そして雑誌での紹介が楽しみです。
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2005年11月09日

ロイヤルエンフィールドレーサー

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どうですか?!このレーサー、カッコイイですよね。

モトルネ 05		秋 022.jpg モトルネ 05		秋 024.jpg
ビンテージレーサームード満点!しかも新車で購入可能?

このレーサーはTRCompanyさんで造られた車両です。もちろんエンジン加工は(株)井上ボーリングをご利用いただきました。TRCompany のKさんにはいつもこのblogにもコメントをいただいたりしてるんですが、当社の加工もたびたびご利用いただいています。
以前ブルタコに乗って遊びに行ったこともありました。雑誌でもよくお見かけしますがおしゃれな雰囲気のショップさんなですよねー。なんだか僕も好きなイイ感じです。

ロイヤルエンフィールドは古い英車の雰囲気がいっぱいですけど、実は今もインドで生産されている、新車で入手が可能なバイクだそうです。最近の(2000年以降ぐらい)車両は出来が良いので安心して購入できるそうです。
レーサーとしていじり壊す(?)には格好の素材になるんではないでしょうか。さすがTRCさん、いいところに目をつけましたねー、それにカッコイイ。

旧車レースに憧れがあっても、いきなりほんとの旧車というのは敷居が高過ぎる感じがしますものね。貴重な古いバイクをレースで酷使して、ましてや転倒でもして壊してしまうのはあまりに忍びないです。アメリカでは既に結構レーサーとしても使われていてなんとUKにチューニングパーツを販売しているショップがあったりするそうで。
こういうところはやっぱり英米はススんで(?)ますね。日本でももっとこういうレースが盛り上がって欲しいなあ。

オトナのバイク乗りが、こういうバイクで草レースを楽しむ。そんな文化が根付くようになったら、日本のオトナ度もホンモノだ、という感じがしますねー。

ロイヤルエンフィールドレーサーについては、、
「ベース車両が安い(他の英車のヴィンテージに比べて)。
何でも新品で部品が手に入る(価格も良心的です)。
それなりにチューンアップパーツも手に入る。
もともとのんびりしたバイクなので少し手を入れると
ずいぶん速くなった気がする(笑)。
何より貴重な車両と違って気が楽(爆)。」

という加藤さんの言葉が全てを表わしているような気がします。
加藤さん、写真をありがとうございました。こんな風にウチでお手伝いしたバイクの活躍をご報告いただくのはたいへん嬉しく大歓迎です。
もし、当社をご利用のお客様で、完成したバイクの写真などを投稿していただけるかたがいましたら、ぜひよろしくお願いいたします。お礼として粗品を差し上げたいと思います。
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2005年11月14日

都内へおでかけ

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Blue Note でボズ・スキャッグスを聞いてきました。

昨日の日曜日は、ひさしぶりにのんびりと都内で過ごしました。
新宿で買い物のあと、神宮外苑絵画館前あたりを散歩して、イタリアンレストランのセランで夕食。
夜は9時から青山Blue NoteでAOR・ボズ・スキャッグスのライブ。

やっぱり人間にはこういう休日が必要ですね。リフレッシュしました。実感。(^^)

ところで、本題はそっちじゃなくて、ひさしぶりに青梅街道や都内を走り回って感じたことがあります。
たくさんのバイクとすれ違いました。でも、その中に普段しょっちゅう取り扱っているバイク達が一台もいなかったんです!つまり旧車と言われるようなバイクがいないんです。

いや、たぶんその方が当たり前なんだと思います。
ただ、僕は毎日そういうバイクの事ばかり考えていて、仕事場でももちろんそうだし、家に帰っても古いバイクの雑誌を読んでて、自分のバイクも古いものだし、サーキットへ行ってさえ、古いバイクの出るようなイベントレースを選らんでしまうので、なんとなく世の中そういうのが好きな人でいっぱいのような気になっちゃってました。ははは!

でも、たまに都内を走ってみたら、フツーのバイクばっかり。自分のバイク観ってすごーくかたよっているんだなー、なんてあらためて感じちゃいましたね。

それにしてもよくウチにはあんなに古いバイクのエンジンばっかり集って来るもんだなー。わはは。(^o^)
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2005年11月15日

ビートWPC&MOS2処理

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ブロックにもWPC&MOS2処理をしました。1気筒だけ。

手前がアルミのままのスリーブです。真ん中は鋳鉄スリーブにプラトーホーニング。
遠い1気筒がWPC&MOS2処理済みです。
手前のアルミのままのスリーブはこの写真だとなんだか輝きがないですね。これはちょっと粗い仕上げになっています。
1番奥のWPC+MOS2の方はしっとりと少しくらい色でなんだかいい感じです。(^^)
みんな少しづつ「色」がちがうのが、写真で読み取れるでしょうか。

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ピストンも2個はWPC+MOS2処理済み。(左が処理済み)

真ん中の鋳鉄スリーブの気筒には、そのまま無処理のピストンを組みます。まあ、これが通常のシリンダーですね。
アルミスリーブの気筒2ヶ所にWPC&MOS2済みのピストンを組みます。手前はアルミそのまま+WPC&MOS2ピストン。
遠い方はスリーブ側ピストン側ともにWPC&MOS2済みということになります。
それぞれがどれだけ摩耗するかを、実走行した後に測定してみる予定です。
これとは別に摩耗試験機上でもそれぞれの材質の摩耗量を測定していますが、なかなか実機の上と同じ条件での比較は難しいのだそうです。たとえば潤滑油、温度の条件をエンジン内と同一にして実験することは困難なので、やはり最後は実機上での試験が1番信頼できるようです。

潤滑や摩耗、摩擦などを総合的に扱う技術領域を「トライポロジー」と呼ぶんだそうです。これがなかなか一筋縄ではいかない分野のようで、加工精度・素材の表面硬度・油の性能や油膜の状態・各素材同士の相性・熱の影響など非常に多くの要素でできあがっていて、カンタンに机上で予測をしたり、計算や試験をして結果の出るものではないんだそうです。
いやはや、(株)井上ボーリングもずいぶん難しいことに頭を突っ込んでしまったものです。たはは。(^^;;;;;

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2005年11月17日

またまたMOTO MAINTENANCEさんで

田口編集長のblogで当社を紹介してくれました。

http://www.hobidas.com/blog/moto/moto1/archives/2005/11/1123honda_thank.html#more

なんだか写真がきれいです。ウチの工場の中じゃないみたい。(^o^)
新しいヘッド加工機でエイプのシートカットをやる家泉工場長がカッコよく写ってます。
ぜひチェックしてみてください。

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2005年11月19日

ブルタコスリーブいきなり焼き付き!!

みなさんにご期待をいただいている(?)アルミスリーブの第一回実機テスト結果はなんといきなりの焼き付き!
っていうか、まだテストを始めてもいない時点(車体が完成してなくてIBに持ち込まれてもいない)でもうエンジンが逝っちゃいました。(^o^)
いやー、前途多難そうで楽しいなあ。

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ピストンとスリーブはこんなダメージ。


実はある程度予想はしていました。ハイシリコンのアルミ同士の摺動は相性が悪く焼き付くという記述を文献にあたっている間に見つけていたためです。でも、実際やってみなくちゃわかりませんからね。
特に今回はピストン・リングにWPC&MOS2を採用していたので、多少は効果があることを期待していました。
ただ、考えてみるとMOS2は表面全体を別の材種で覆うメッキやコーティングなどとちがって、アルミの面のところどころに再結晶してモリブデンがささるようなカタチで分布しているような状態ですから、やはり無理だったかもしれません。でもこのことはMOS2処理の性能の優劣を評価したことにはならず、要は用途が違うということに尽きると思います。

失敗は成功のもと。っていうのはこんな時に使う言葉でしょうね。たくさんの失敗を重ねて何がダメでなにがいいかを峻別していくんですよね。

次なるテストとしてはピストン側にニッケルメッキを施すことになっています。これでハイシリコンのアルミ同士が摺動することを回避します。いま、RZR用のピストンをすでに試作をお願いしていて、来週にはあがってくる予定です。
これも寸法精度・膜厚などが期待通りだったら、まずはブルタコのピストンをメッキしてテストを継続します。
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それから、ブルタコは一旦鋳鉄スリーブに戻してまずは車体の完成を竹内さんにすすめてもらう予定です。
ビートはどうしようかなあ。
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2005年11月21日

北斎展

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東京国立博物館で北斎展を見てきました。

妻に誘われて上野まで行ってきました。西洋の絵画を見に行く事はたまにありましたが、日本の画家の展覧会にわざわざ出かけたのは初めてのような気がします。
1番驚いたのは北斎という人が成功した画家で、90歳まで生きて多くの作品を残した事ですね。しかも版画を多くやっていますから、たくさんの作品が残っているんですね。とても幸福な画家なのかな、と思いました。絵のテーマも有る時は娼婦を描いたかと思うと、農夫を描いたり、カエルを描いたり、旅行に行って風景を描いたり変わったやり方の漁業のようすををシリーズもので出していたり、実に自由なんです。
無知な僕はなんとなく、浮世絵というような型にはまった美人画とかなのかと思っていましたが、自分の気に入ったテーマを自由自在に描いているんですね。また、それが版画だということは、出版されて多くの人に受け入れられていたわけですよね。時にはイベントのディレクターみたいなことまでやってたみたい。
西洋の絵画だと王侯貴族のお抱え絵師なんかは生活がよくてもあまり作品は評価されなかったりしますよね。逆に芸術的なテーマの画家だと悲劇的な生涯だったり。生きてる間はまったく評価されなかった、なんてね。
その点版画を通して、北斎が一般大衆にも支持されていたのだとしたら、なんだかうらやましい人ですね。いってみれば今の時代だったら、グラビア写真家で小池栄子やMEGUMI なんかの写真を撮りながら、絵本も出すし、北斎漫画なんてコミック雑誌も出版して、紀行ものでは富士山をダイナミックに描けばこれまた大ヒット!なんて感じでしょ?そうそう、なんかお菓子のポスターみたいなのも描いてるんですよ。銅銭10枚なんて書いて有るの。広告写真家でもあったのか。掛け軸もあるし、扇子にも絵を描くし。

北斎もすばらしいけど、そいいう版元(出版社)があって、読者がいて、そんな文化が成り立っていた江戸っていう時代がなんだか素敵ですよね。


先月も「日本人の繊細さ・生活の質の高さ」は世界に通用するもの、というようなことについて少し書きましたね。
そして、そのことを自分の会社の仕事の質にもつなげてこれからも考えて行きたい、というようなことも書きました。

北斎のような浮世絵画家の絵は西洋の絵画にも大きな影響を与えたんですよね。日本人は鎖国していた間にも自分たちのオリジナルな方法で世界に通用する質のアートとそれを支える豊かな文化を持っていたんですね。しかもそれを支えていたのが、ほんの一握りの貴族なんかじゃなくって、多くの大衆だったってのが、なんだかいいじゃないですか。

やっぱり日本人は自分の好きな得意な事をこつこつと自分のペースでやっていったら、それでいいんじゃないか、なんて思いますね。バイクや自動車を作るのも、日本人が世界一得意で大好きなこと、ですよね。だったら僕はそこんとこに関わる仕事を自分がやっていけたら、ほんとにイイと思いますね。
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2005年11月24日

SherpaTに会ってきました。

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実は先週の日曜日にWST竹内さんのところまで行ってきました。
閑静な住宅街の中で、ご自宅の1階がガレージになっています。
中はPorsche911やトライアルマシンでいっぱいですが、きれいに片づいたガレージです。

1番手前にSherpaTが。なんだかぴかぴか。
うー、早く乗りたい。ちょっとだけ跨がってみました。ステップ位置が低くなって乗りやすそう。
前よりラクなポジションです。

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スポークが一本折れていたリアはスポークを全部貼りなおしてハブも磨いてもらいました。

うわー、きれいになったなああ。
早く乗りたい。(それっばっか。)
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2005年11月25日

BEETエンジン入手!

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Yahoo! Auctionで中古のエンジンを入手しました。値段がなんと31,500円。安!
ピストン1個買っても5,000円くらいしますよね。ピストンもコンロッドもクランクもみんなくっついてるもんが、こんな値段で手に入っていいんですかね?!

インターネットってすごいよなあ。こんなものが流通してて、欲しいなと思った時に手に入っちゃうんだから。

いやね、アルミのスリーブの開発はこのあともじっくり時間をかけて、絶対に完遂したいと思ってるんですけど、ビートでがんがんテストする前にカンタンにばらせるバイクのエンジンとかでもう少しデータ収集してからにしようと思ったんです。メッキしたピストンでそこそこアルミスリーブがもつようなら、しばらく時間をかけてバイクを走らせて摩耗を調べる必要もあるでしょう。その間ビートをばらばらのままにしておくのもどうかな、かと言ってせっかくアルミスリーブを圧入したエンジンにまた鋳鉄スリーブを入れるのもなんだかな、と思っていました。で、ふとオークションででも中古のエンジンがないかな、なんて見てたら、これがあるんですねー。

このエンジンで一旦ビートも走れるようにしてもらおう、と思って昨日ロデオさんにお願いしてきました。

エンジンは3万5千kmほど走った好調なものをばらしたそうで、シリンダー内径もきれいなものでした。
あー、ビートにも早く乗りたい、ってまたそれかよ。(^o^)
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2005年11月26日

ピストンに無電解ニッケルメッキ

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左がメッキ、右が通常のピストン。(RZ350R)

手元にあったRZRのピストンにメッキをしてみました。
ハイシリコンのアルミ同士の摺動では焼付きやすいという実験結果が予想できたので、ブルタコのエンジンが回る前に手配していたものです。ブルタコでの最初の実験では早々に結果が出てしまったので、次の段階の実験に移行できます。(^^)
それがこの無電解ニッケルメッキピストン。
なんか、とてもきれいで、表面がすべすべしていて、高級感があります。

アルミとの摺動の相性はかなりいいようです。もちろんピストンの硬度もあがり、耐摩耗性・すべり性が優れています。
このメッキのいいところは、膜厚が均等に乗るということです。ですから既に完成しているピストンの表面にメッキして後加工で研磨などをしなくてもそのまま使えます。また、寸法をかなり正確にコントロールできるので、たとえばなんらかの理由でクリアランスを減らす方向に調整するなどということも可能になると思います。
例えば、スタンダードのピストンしか入手できない機種の場合で内径が摩耗したというケース。
オーバーサイズのピストンが入手できないので、ボーリングすることもできません。
ところが、ニッケルメッキをしてピストンを少し大きくすることができれば、その分シリンダー側をホーニングして内径をきれいにして、適性なクリアランスを保つということも可能になると思います。

これってアルミスリーブの開発にも使えそうですが、それ以外にもいろいろ応用ができそうな技術ですね。やっぱり、いろいろ勉強してみるもんですねー、思わぬ副産物が出てきました。

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2005年11月27日

バイクショップさんを通してのIBのご利用

先日来お客様からの問い合わせなどをいただいて、感じる事があります。

(株)井上ボーリングをご利用いただく個人のお客様は、基本的にはご自分でエンジンをばらしたり組み立てたり、ということができる方を想定しています。
でも、オートバイに乗る方のうちのいったい何割の方がご自分でエンジンをバラすところまで、おやりになるでしょう。かなり少数派でしょうね。

それでも、当社の仕事や、エンジンを再生することに興味を持たれる方は結構な割合でいらっしゃるようです。ちょっと古くなったからと言って、愛着のあるバイクを手放したり、新しいバイクに乗り換えるのではなく、手入れをして長く乗りたい。でも、自分でエンジンまで弄るのはちょっと、、、という方もいらっしゃるのでしょう。

そういう場合はバイクショップさんに「エンジンのオーバーホールをしたい」ということでご依頼してみてください。できれば「加工が必要な場合は(株)井上ボーリングで。」とご指定いただければ、幸いです。(^^)
(株)井上ボーリングではどちらのバイクショップさんや自動車修理工場さんでも、問題なくお取引きさせていただきます。実は本来、ボーリング屋の業態はこういうものなんです。当社は個人のお客様からのご依頼を喜んでお引き受けしますけれども、普通ボーリング屋は業者さんからのご注文をメインにしているものです。

ただ、最近はバイク屋さんの中にも、エンジンの中まで弄るなんてことをあんまりしないところもあるようですね。クルマ屋さんに比べれば、まだましだとは思いますが、そういう傾向はあるようです。
もしお近くに信頼できるバイク屋さんが見当たらないとか、買い替えばかり奨められて頼みにくい、というような場合は当社にご相談ください。ご住所や車種を考慮して、お近くの当社とのお取引きのある腕のいいバイクショップさんをご紹介できるかもしれません。あとはそれでも都合のいいバイク屋さんがない場合などは、エンジンまるごと外してお送りいただくことができれば、当社から近隣のエンジンを得意にしているバイクショップさんにオーバーホールを依頼することも考えてみます。あるいは焼付きなどでなくて、少し調子が落ちてきたけど走るのには支障がない、といういようなことでしたら、私どもまで乗ってきていただいて、私どもで近くのバイクショップさんに持ち込むとか、、、まあ、方法はなにかあるのではないでしょうか。

せっかく長い付き合いの愛着あるバイクを、ちょっと調子が落ちたからって乗り換えたりしないで、ぜひ長く大事にしてあげていただくことを私どもは願っています。
(株)井上ボーリングは創業当時から、バイクを使い捨ての商品だなどと考えた事はありません。創業当時はバイクは車検のたびにオーバーホールして乗るものだったそうです。その後の大量消費の時代が来ても、さすがにバイクは「直して乗る」というカタチが完全に失われる事はありませんでした。今でも電化製品などとちがって、幸いなことにバイクは使い捨てになどしないで乗る事ができます。オーナーさんさえ、その気ならば。

世界一のバイク生産国である日本が、世界に羽ばたいていった時代の文化遺産でもあるような古いバイクたち。そんなバイクのオーナーの皆様には特にお願いをしたいと思います。いや、そうでなくても、バイクは手入れをして、ずーっと大事に乗ってやっていただきたい。クルマだってそうです。そういうオーナーさんのお手伝いを(株)井上ボーリングはさせていただきたいと願っています。
posted by sotaro at 21:49| 埼玉 ☀| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月28日

キーワードは「モダナイズ」(最新化・近代化)

いま、一所懸命にアルミスリーブにトライしたり、メッキのことを勉強したり、いろいろやっているわけなんですけど、いったい、これはなにをしようとしているのか、自分でもその情熱の目的地がよくわからないままに、やみくもに「これはオモシロイ!」と思ったことに挑んできました。

プラトーホーニングやNEさんのWPC&MOS2をご紹介したり、コンロッドを削ってみたり、チタンのことをいろいろ調べたり、2スト・4ストのスリーブを削り出したり、ベリリウムカッパーを採用したり、思えば、ここ数年でずいぶんいろいろと手を出したものです。

いままで、その種々雑多な取り組みをうまく言い表すことができずにいました。お客様に対しても、メディアに対しても、従業員に対しても、自分に対しても。ところが、この週末、アルミスリーブの開発の方向性を思いあぐねている間に、ふと思いついた言葉があります。それがタイトルに書いた「モダナイズ」です。

この言葉を思いついたら、なんだかいままでばらばらにトライしたきたいろんなことが、一筋の糸に縫われたように、すーっと近づいてきてきれいに整列してくれたんです、僕の頭の中で。
IBがやろうとしていることはけしてチューニングではない。改造ーモディファイでもカスタムでもないし、単なるレストアでもリペアでもない。

「モダナイズなんだ!」と思ったんです。

性能をあげるためにはいろんな手法があります。当社だって、例えばレースに乗り出していって、ある機種に絞って馬力を上げる方法を真剣にトライすれば、そういうことだってできるようになるかもしれません。でも、どうも僕にはそれが自分のやりたいことだとは思えなかったんです。それはどちらかと言えば、お客様にやっていただきたいこと。自分たちはそのお手伝いをさせていたきたいとは思います。でも、僕らはチューナーやコンストラクターになりたいのではないことはわりと早くからはっきり認識していました。(ボーリング屋さんの中にもそちらの方面で成果をだしていらっしゃることろもありますけれども)

では、僕らは単なる修理屋でいいのか。あるいはもう少しマニアックにレストアをして、古いエンジンを昔のままに再生することに意義を見いだすのか。うーん、これは結構惜しい。かなりこれに近いことはやりたいんだけど、なにかちょっとだけ違うんです。
せっかくばらばらにしたエンジンに、昔のままの技術で、「当時モノ」のパーツを組んで昔に戻すだけ。それだけではなにか物足りない。だって、昔の技術や昔の設計や昔の素材には、やっぱりその当時の技術の限界があって、あまりよくないのがわかっている部分があるわけですから。それに、僕らには新しい技術があるじゃないか。それなのに、どうせ古いエンジンだからって、昔のままの技術で加工してりゃそれでいいっていうのは手抜きじゃないのか?
そう思って最初に「プラトーホーニング」をご紹介してみたら、これをみなさんが喜んで使ってくださる。そこにWPC&MOS2などもいいに決まってるからセットでご紹介したら、これもみなさん当然のように利用していただける。
「そうか、これだ!」そう思って今はさらにアルミスリーブや新しいメッキなどに挑戦しているわけです。

以前にも書きましたが僕らはパワーをあげるために、耐久性を犠牲にしたくはないんです。ですから、無理な軽量化や、過度なチューニングにつながる仕事はあまりやっていて楽しくありません。量産メーカーが作ったエンジンはあらゆる点でバランスがとれていて、ハンパな知識で弄り回したところで、トータルでみてあまりいい結果が得られるとは思えません。(ま、こんなことを考えること自体も実は加工屋に過ぎない我々の守備範囲外のことではあるんですが)
でも、そのエンジンが量産された時点で存在しなかった優れた技術を投入するのなら、トータルバランスを崩さずに、よりよいエンジンを作る事ができでも不思議ではありません。それが「モダナイズ」(最新化・近代化)の意味です。たとえばスリーブの素材。鋳鉄ひとつとっても30年前に比べれば耐摩耗製の高いよい素材がラクに入手できます。もちろん、今開発中の特殊アルミ素材だって昔はありませんでした。プラトーホーニングもそれほど新しい技術ではありませんけれども、コストの面などもあり量産バイクで採用されたのはだいぶ後になってからだと思います。(四輪車では早かったです。)それにWPC&MOS2やメッキ、DLCコーティングなどの表面処理技術。これも近年大きく進歩した分野です。
このような素材・加工技術・表面処理などの3つの分野の技術進歩の成果を古いエンジンにも投入して、現代のエンジンと同じように、低フリクションでロングライフな優れたエンジンをつくること。これなら、われわれがなにもレースに出て行ってありとあらゆる機種のエンジンのチューニングテクニックを手に入れなくても(そんなことできるはずがありませんし)、どんなエンジンに対しても一様に貢献することができるのではないか!ということに思い至ったのです。特別にボア・ストロークアップやビッグバルブ化やらをせず当時のままのオリジナルスペックで加工しても、投入する技術レベルが高ければ、トータルな性能向上はあり得るのではないでしょうか。
(ひとつ付け加えるとすれば、量産エンジンでは最重視されるコストの点で、ワンオフ的な取り組みでは多少緩く考えてやや贅沢な技術の投入も許されるだろう、そのことによってさらに量産時よりもいい回り方のエンジンを作る事ができるだろう、という点も見逃せません。)

もちろん、そんな私どもの技術を専門的な知識を持ったお客様に有効に利用していただいて、レースやパワーアップ(チューンアップやモディファイ・カスタム)などに使っていただくのは大歓迎です。ただ、私たち自身はその専門的な知識の部分を目指すのではなく、あくまでも「モダナイズ」の技術の方を提供していきたいと考えているんです。

今後あらゆる仕事の取り組みの中で、このことを前面に出していきたい、と考えています。
一例に過ぎませんが、当社の古くからの得意技術に組み立て式「クランクの分解組立芯出し」があって、最近はこれをできる内燃機屋さんが減ってきていることもあって、多く利用していただいています。
この最も古い技術を使う際においても、その機会にバラしたクランクピンやコンロッドにWPC&MOS2処理をおすすめしてみようかと思い立ちました。WPCするにもバラさないとできないわけですからね。古い技術と新しい技術を組み合わせることでクランクを「モダナイズ」することができます。
また、クランクまで取り出されたということはクランクケースを割ってあるということですから、そのついでにミッションにも同加工を施してみてはいかがでしょうか。せっかくエンジンをばらばらにするなどという大きな手間をかけているのに、もとの部品をそのまま組み立ててしまうなんて、考えてみればあまりにももったいない。現代の進んだ表面処理技術を古いエンジンにも投入してみたらいいと思うんです。適応範囲の広いWPC&MOS2の技術はもっと多用されてもいいものだ、と私たちは考えています。

そして、近い将来なんとしてもアルミスリーブを実現したいと思います。これは新素材・新表面処理技術(メッキやコーティングも含めて)・新加工技術という上にあげた3つのジャンルの最先端の技術をすべて総合した、真にモダナイズドされた技術になるはずです。あらゆるエンジンに放熱冷却性・軽量化・均一な膨張率という性能上の利点に加えて、耐久性という最も大事な性能をも加える事ができるようになることを目指しています。当社の得意な2スト4ストスリーブ製作技術と合わせれば、たとえば賞味期限が短いといわれる古い絶版バイクのエンジンも、現代のエンジンと同様な優れた性能・耐久性を持って「きれいに回る」エンジンに生まれ変わらせることが夢ではなくなるのではないか、と期待を膨らませています。

うー、絶対に成功させたくなってきました!アルミスリーブ!!(^o^)
posted by sotaro at 21:27| 埼玉 ☀| Comment(12) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月01日

TDUオーストラリア大会に挑戦中

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カッコイイですね。IBのロゴはどこかな?

当社がサポートしている東京電機大学の学生さん達がオーストラリアで行われている学生フォーミュラに参加しています。
彼らのマシンの特徴は小さくて旋回性能が優れている事。多くの大学が4気筒大馬力のエンジンを搭載しているのに対して、単気筒のエンジンを採用して軽量コンパクトなマシンになっています。

考え方としては、好きですねー、こういうアプローチ。

明日からいよいよ静的イベントといって、書類審査やプレゼンテーションの競技が始まるようです。
日本大会でも動的イベント(走り)ではトップクラスだったようですが、意外にこの静的イベントで苦労しているようです。しかも今回は英語でのプレゼンテーション。海外のチームに対抗してどんな成績を出してくれるでしょうか。

頑張れ!!TDU!!!
posted by sotaro at 08:38| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月07日

IBのIT化

ちょっと更新が止まってしまいました。
めずらしくまじめに仕事をしているせいです。(^^;;
と、言いますのも、現場といろいろなことを改革するだけでなくて、事務も改革しよう!などと考えまして、内燃機屋の雑多な仕事をなんとか整理しようなどと思い立ったんです!
なにしろ一品料理な加工が多いものですから、なかなか販売ソフトなどでカンタンにデータからアイテムをセレクトしてちゃっちゃっちゃ、なんてわけにいきません。でも、そんなこと言ってたらいつまでたっても仕事の整理がつかん、というわけで、なんとかして見積・受注から納品までのIT化を進めようなどと考えています。
ところが!やってみるとなんといってもコンピュータに乗せるところで、どうも従業員さんなかなか付いてこれそうもありません。というわけで、僕が全ての受注を入力することに!その上、受注を入力するには、ダイレクト(宅配便)などで届いた荷物も全部開梱から自分でやるハメになってしまいました。
うーん、そのぶん仕事の内容は把握しやすくなりましたけど、なんといっても煩雑なんです。
でも、そのおかげで懸案だった、着荷時点でメールでお知らせするなんてこともやりはじめました。(まだメールアドレスのはっきりしている一部のお客様だけですが)
IBのIT化はホームページ・掲示板・blogの利用とか、そこからの受注などの点では早くから取り組んで来ているんですが、まだまだはじまったばかりです。でもこれからはいろいろなデータが(見積データや加工データも含めて)蓄積していけるのではないかと期待しています。
なんていったって、蓄積した膨大なデータをあっという間に検索できる、というのはコンピュータの一番の利点ですからね。よーし、こっちもがんばるぞ!

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2005年12月13日

マイガレージ

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ガレージと言っても、ここでちょっと整備はできませんけどね。
ここんとこ忙しくて乗っていませんけど、よなよなこうやって眺めています。

やっぱり、いいなー。かっこいいなあ。

でも、あそこももう少し手を入れたいなあなんてやってると時間がたつのを忘れますね。

posted by sotaro at 18:44| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月16日

La Historia con un SherpaT

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シェルパTとの物語ーシェルパTが教えてくれた。

さっそく小冊子が完成しました。
ーシェルパTとの出会いから今までのこと。
ーシェルパTのどこがそんなに好きなのか。
ーバイク(や乗り物)にとって速度とは。
ー速度(=風?)を感じながら走る事に意味があるんじゃないのかな。
ーだから小さなバイクが好きなんです。
ー古いバイクがいいのはなぜ?
ー僕らにいまほんとうに必要なバイクとは。
といった内容になっています。

お仕事をいただいたお客様には納品書と一緒にダイジェスト版をさしあげています。もし、blogをご覧の方でご希望の方がいらっしゃいましたらお申し出ください。無料でさしあげます。

90年ごろ、マッキントッシュというコンピュータを買いました。とても高価なものでした。
そのころはまだウィンドウズもなくて、MS-DOSのコンピュータよりは使いやすかったんです。それ以上に当時「ハイパーカード」というソフトを使ってみたかったのと、DTP(卓上印刷)というものができるかもしれない、と思って飛びつきました。でも、そのころは実際にはDTPをするのはそうとう困難でした。
今、僕はキャノンのカラーレーザープリンタとデジタルカメラとiBookで自分の望むようなDTPがほんとうにできるようになりました。
出版印刷というのをすると紙の両面にページの順番をうまく並べて本のカタチに印刷してくれるんですよ!
それに、インターネット(これは僕は現代的なハイパーカードだと思っています。)を通しても自分の考えを世界中に発表することができます。いい時代にになりました。
意見を表明する舞台装置は整いました。あとは、世界に向って発表するほどのどのような内容を僕が持っているのか、そのことが問われているのだと思います。

この小冊子はちっぽけですけれども、今の自分の最大の関心事(好きなバイクとそれにかかわる仕事)について僕がそれなりに一生懸命書いたものです。
ぜひ、多くのかたに読んでいただきたいと思います。
お気軽にメールで送り先を教えていただければと思います。
posted by sotaro at 09:08| 埼玉 ☔| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月20日

メッキスリーブ!

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メッキがあがってきました!

ブルタコ用のアルミスリーブに最新のメッキをトライしてみました。
ニカジルよりも固く、おまけにメッキをするために電極が必要ないというIBにとっては夢のようなメッキです。
なんかシャンパンゴールドの輝きが美しい、、、、、。

メッキの種類はまだ控えさせてください。実験をして成果がでたら、お知らせしたいと思います。
それまでは、、、ひ・み・つ・? (^o^)

ところがその実験が諸般の事情ですぐにはかかれそうにありません。
とにかく忙しいのと、ブルタコ側の事情、その他いろいろあって、今年はちょっと無理ですね。残念!

あと、実をいうと2ストのブルタコだけでなくて4ストのなにかシンプルなバイクがあれば、それでも実験したいんですよねー。なんかいいバイクないかなあ。

posted by sotaro at 13:59| 埼玉 ☀| Comment(16) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月22日

実験開始!!

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はじめちゃいました!

忙しいのなんのと言ってたんですが、みなさんの書き込みとか見てるうちにたまらなくなってきて、
実験を始めちゃいました。オフィスの前で軒下整備開始!

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先日の写真はケータイ写真だったので、今度はEOS10Dでばっちり。

シャンパンゴールドでしょう?(^o^) すごくきれいなんですよね。
しかも内径にかすかにクロスハッチが見える?!測ってみたら3Sくらいの悪くない表面なんですよ。
なんでだろう??不思議。

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こうやってケガいてから圧入します。  見事な位置で圧入成功!工場長、ウマイ!

このあと内径寸法を測定してみたら、思った以上に圧入によって内径が縮んでいました。しょうがないので、一度抜いてシリンダー内径をホーニングして圧入代を小さくして再圧入。ところが、それでもやはり思ったよりは内径が小さくなっちゃう。っていうことは内径のHG代が大きくなりすぎる。かといってこれ以上圧入代を小さくすると、スリーブが遊んじゃうかもしれない。

うーん、仕方がない。このまま寸法まで内径をホーニングして見ようということでホーニング開始。でも、予想された通り適正なクリアランスになる前に、メッキがなくなってしまいました。とほほ。

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というわけで、内径はまたアルミ表面に逆戻り。

スカートの先端部分だけ、わずかにメッキが残っているんですが、わかりますか?

いやー、今日はいよいよメッキシリンダーのエンジンを回せるか、と思ってそうとうわくわくしたんですけどね。
結果はそこまで辿り着きませんでした。
でも、今日の実験はぜんぜん無駄ではありません。

最大の成果はメッキ後のホーニングを思い通りにできたことです。石はダイヤモンドを使いました。拡張圧なども思った通りで、順調にホーニングできました。ホーニング後の面粗度も十分コントロール可能。今回の結果で圧入によってどれだけスリーブの内径が縮むかのデータもとれたので、あとは膜厚と圧入代、メッキ前内径寸法の管理をちゃんとやればいいだけです。

また、メッキのアルミに対する密着がそうとういいこと。メッキの乗り方がそうとう程度均一であることにも感心しました。なかなかこうはいかないですよ。

今回はメッキ厚分だけさらにアルミ地の出た内径をホーニングして、すぐまたメッキ屋さんに処理をお願いしました。次回はおそらくホーニングをして適正なクリアランスを維持してしかもメッキ厚もキープできるはずです。


楽しみ!!

しかし、2スト・シングルのエンジンって本当にカンタンにバラしたり組んだりできますね。
シェルパTに乗って会社に行ってから、エンジンをバラして、シリンダーを外して、スリーブを入替えていろいろ実験して、結局またスリーブを鋳鉄に戻してエンジンを組んでシェルパTに乗って帰ってきたんですよ!
いやー、わくわくどきどき楽しい一日でした。
しかし、暮れの忙しいのに社長のわがままな開発に付き合う技師さん達はたいへんだ!わはは。(^o^)
posted by sotaro at 18:48| 埼玉 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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