
左がメッキ、右が通常のピストン。(RZ350R)
手元にあったRZRのピストンにメッキをしてみました。
ハイシリコンのアルミ同士の摺動では焼付きやすいという実験結果が予想できたので、ブルタコのエンジンが回る前に手配していたものです。ブルタコでの最初の実験では早々に結果が出てしまったので、次の段階の実験に移行できます。(^^)
それがこの無電解ニッケルメッキピストン。
なんか、とてもきれいで、表面がすべすべしていて、高級感があります。
アルミとの摺動の相性はかなりいいようです。もちろんピストンの硬度もあがり、耐摩耗性・すべり性が優れています。
このメッキのいいところは、膜厚が均等に乗るということです。ですから既に完成しているピストンの表面にメッキして後加工で研磨などをしなくてもそのまま使えます。また、寸法をかなり正確にコントロールできるので、たとえばなんらかの理由でクリアランスを減らす方向に調整するなどということも可能になると思います。
例えば、スタンダードのピストンしか入手できない機種の場合で内径が摩耗したというケース。
オーバーサイズのピストンが入手できないので、ボーリングすることもできません。
ところが、ニッケルメッキをしてピストンを少し大きくすることができれば、その分シリンダー側をホーニングして内径をきれいにして、適性なクリアランスを保つということも可能になると思います。
これってアルミスリーブの開発にも使えそうですが、それ以外にもいろいろ応用ができそうな技術ですね。やっぱり、いろいろ勉強してみるもんですねー、思わぬ副産物が出てきました。
ピストンがかなり磨耗していて部品入手困難なエンジンもリビルド出来るんですね
100分のいくつ位までプラス可能なんでしょうか?
RZのシリンダー最大ボアアップしちゃった後にも有効ですね
最新の技術ってホントに素晴らしいですね!
ムラサン感激です ところでコスト的にはどの位なんでしょうか?(興味津々デス)
まだ実験段階なので、精度や効果もこれから検証しないといけません。特に厚膜にしたときにどうなるかは、まだまだわかりません。費用の方も膜厚で大きく変わってくると思います。
写真のRZRのピストンはオーバーサイズ1.75mmのPROX製ですが、ピストンキットの価格が8,800円です。
これと同じくらいで収まればいいと思うんですが、1万4千円くらいかかっちゃうかもしれません。やはりあくまでも他に手段がない場合の最後の手段という感じにはなると思います。
でも、耐久性もアップすることを考えると、多少高くても価値はあるかな、とも思うんですが、どうでしょうか。
代替品のテスト中です。
「ってことは、メーカーからニッケルメッキの
シリンダーとかは出なくなっちゃうんだろうなぁ」
なんて仕事中にぼんやり思ってました…。
ニッケルメッキに関しては鉛フリーのものもあるみたいですよ。
http://www.fm-007.com/pb-less-ni-p-plating.htm
でも、今うちで目指してるのはそれともまた別です。
ナイショ(^o^)