2005年11月19日

ブルタコスリーブいきなり焼き付き!!

みなさんにご期待をいただいている(?)アルミスリーブの第一回実機テスト結果はなんといきなりの焼き付き!
っていうか、まだテストを始めてもいない時点(車体が完成してなくてIBに持ち込まれてもいない)でもうエンジンが逝っちゃいました。(^o^)
いやー、前途多難そうで楽しいなあ。

IMG_2534.JPGIMG_2537.JPG
ピストンとスリーブはこんなダメージ。


実はある程度予想はしていました。ハイシリコンのアルミ同士の摺動は相性が悪く焼き付くという記述を文献にあたっている間に見つけていたためです。でも、実際やってみなくちゃわかりませんからね。
特に今回はピストン・リングにWPC&MOS2を採用していたので、多少は効果があることを期待していました。
ただ、考えてみるとMOS2は表面全体を別の材種で覆うメッキやコーティングなどとちがって、アルミの面のところどころに再結晶してモリブデンがささるようなカタチで分布しているような状態ですから、やはり無理だったかもしれません。でもこのことはMOS2処理の性能の優劣を評価したことにはならず、要は用途が違うということに尽きると思います。

失敗は成功のもと。っていうのはこんな時に使う言葉でしょうね。たくさんの失敗を重ねて何がダメでなにがいいかを峻別していくんですよね。

次なるテストとしてはピストン側にニッケルメッキを施すことになっています。これでハイシリコンのアルミ同士が摺動することを回避します。いま、RZR用のピストンをすでに試作をお願いしていて、来週にはあがってくる予定です。
これも寸法精度・膜厚などが期待通りだったら、まずはブルタコのピストンをメッキしてテストを継続します。
IMG_2542.JPG
それから、ブルタコは一旦鋳鉄スリーブに戻してまずは車体の完成を竹内さんにすすめてもらう予定です。
ビートはどうしようかなあ。
posted by sotaro at 11:28| 埼玉 ☁| Comment(42) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
井上様、ご苦労様です。

む〜だめでしたか(〜〜)でも、次から次と試してみる・・・凄い研究心。
こんどは、ピストンにニッケルメッキですか・・
膨張率などど〜なんでしょうね、楽しみにしています。
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月19日 16:58
お久しぶりです。エンジン焼き付ですか、実験結果を楽しみにしてたんですけど・・・
アルミスリーブ魅力的ですね、でも鋳造のアルミとの相性はやはり良くないんじゃないかと思っていました。
ピストンにニッケルメッキは良いと思います。
カニフロンの方がもっと良いような気がしますが?
あと秘密のアルミ素材の種類が聞きたいですね、
企業秘密でしょうが・・・
Posted by reo226 at 2005年11月19日 17:01
北海の熊足さん、どうもです!
膨張率は気になるところですね。ただ、膜厚は10μ以下です。
どうなることやら。(^^)

reo226さん、ご無沙汰してます。読んでいただいてたんですね。
シリンダーでよく使われるニカジルメッキもニッケル系ですから、ニッケルメッキとハイシリコンのアルミとの相性はいいんではないでしょうか。
無電解ニッケルメッキ(=カニゼンメッキなんですね)はチューニングパーツのHKSでもピストンに採用されているようです。
カニフロンも調べてみまーす!
Posted by IB井上 at 2005年11月19日 17:09
この様な案件になると皆さん濃〜いコメントばかりで、わくわくしますw。
こんな自分って変かな〜と思っていましたが、
安心?しました。
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月19日 17:19
北海の熊足様そして井上社長様、私も同感です。技術の話になると何故かわくわくしてしまします。
思考錯誤の繰り返しでやってみないと納得しない
自分の性を家族はあきれて見ています・・・
ところでカニフロンはカニゼンにテフロンコートをしたメッキです。
カニゼンの均一性(膜圧が一定密着度も良く)表面硬度も高い
それにテフロン(フライパンに使われている?)の耐熱性と耐かじり性がマッチしたメッキです。
デバイス関連の仕事をしていると時々加工品の
後処理で指定されます。
近い材質同士をこすり合わせると(高速高加重)
かじりを生じます。(摩擦溶接と原理は同じ)
材質と硬度の差がキーポイントだと思います。
アルミスリーブとアルミピストンの間にニッケルメッキが入る事でずいぶん違うんじゃないかな?
と偉そうな事書きましたが、皆さんの方が専門家でしたね!(ど素人の戯言です、一笑に附してください)
ではまた実験結果のご報告を楽しみにしています。
Posted by reo226 at 2005年11月19日 21:22
アルミだとニカジルとかポーラスメッキとかエレックス(爆射)じゃないとダメだと思ってますが・・・。シリンダーじゃないですが、大昔、RGにアルミのローター付けられて死んじゃったのがカル・レイボーン選手だったという記憶が・・・。セラミックシリンダーは未だか(爆)
Posted by ハラ at 2005年11月20日 01:00
追伸
ヤマハのダイアジルシリンダー(4ストだべな)

http://www.yamaha-motor.co.jp/news/2002/07/31/innovation.html
Posted by ハラ at 2005年11月20日 03:30
ハラさん、いつもデータなどありがとうございます。
ヤマハのダイアジルは鋳造でシリコンを20%含有なんですね。
いまウチでやっているのは30%シリコンを含んでいます。鋳造ではこんなにシリコンをいれるのは無理なようです。
ホンダではウィスカ短繊維というのを混ぜて、NSXやS2000でアルミスリーブを実用化しています。バイクでも過去に1機種実績があるようです。ベンツもやってますね。実際ボーリング屋をやってると、そいういうブロックが既にたまにボーリング依頼が来る時代になっています。
ウチではそんな最新の技術をなんとかみなさんから内径加工をご依頼いただく一般のエンジンにも投入することができないか、という方向で考えています。
軽量化・放熱性・膨張率などの点で大きなメリットをご提供できるようになれればと思います。
実はウチのお客様の中にはアルミのシリンダーをそのままボーリングして、鋳造アルミの肌のままでモトクロス3レースは持ったよ、なんて豪快な方もいらっしゃいます(^o^)
しかし空冷のアルミフィンはただでさえ鋳造が難しいと言われているのに、20%シリコン含有でそれをやってしまうヤマハの技術もすごいもんですね。
ニカジルメッキ用シリンダーも結構内径にアルミ鋳巣が出て不良率の高い機種があったりするのになあ。
Posted by IB井上 at 2005年11月20日 08:06
楽しみに拝見させて頂いてます。う〜ん、ピストンにメッキですか。4032相当の強度が出ると、シリコンカーバイト等でも行けそうですが。今後に期待します。そして、アルミスリーブは、ピストン側に強度(膨張率等)が必要なのでしょうかね。
Posted by タケ at 2005年11月20日 21:08
今晩は、またちょっと見させていただきました。
皆さんのご意見なるほど勉強になります。
AL-SIのアルミスリーブなんですね!なるほどA4000番系でSI-30%すごい見たこと無いです。
ピストンはADC1とかAC3Aとかの材質なんでしょうか?
爆射とはイオンプレーティングみたいな方法なんでしょうか?
すみません勉強不足で・・・
私のGAUCHOはFCDのスリーブでカニゼンメッキ後
熱処理で硬度を上げてリビルド後3000kmを走っています、今度ばらして内径の計測してみます。
カニゼンがどのくらい磨耗しているか?

アルミスリーブが完成することを
きっと皆さんも、わくわくした気持ちで待ち望んでいるんだと思います。結果が早く知りたいなー

乱文にて失礼します。
Posted by reo226 at 2005年11月20日 23:16
井上社長様、reo226様、ハラ様、タケ様、皆様
サイコーです。わくわくして拝見しています。
技術てきに、無理では無いのですね。皆さんの知識と経験談をもっと勉強したいと思います(加工は鰍hB様にお願いですが)世の中ほんと〜に
濃い人ばかりですね。
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月21日 06:59
タケ様、お世話になっております。
シリコンが入っているとA4000番系、確かにそうですね。みなさんよくご存知ですねー。
でも、今ウチがトライしているのは、、、、実は、、、、!!
粉末冶金なんです。だんだんばれちゃうなー、あはは。
ピストンはAC8Bあたりでしょう。
ピストンにメッキをする理由は硬度が必要なわけではなく、あくまでもハイシリコンのアルミとの相性です。ハイシリコンのアルミ同士では焼き付きやすいし、例えばハードクローム同士でも焼き付くらしいです。
むしろあんまり相手が硬度が高くてもアルミスリーブが負けてしまいそうな気がします。
Posted by IB井上 at 2005年11月21日 08:20
reo226様
うわー、すでにカニゼンメッキでシリンダーを作ってらしたんですか!FCDでも表面のメッキについては同じことですよね?!
すごいすごい!前にも伺ってましたっけ?コンロッドを製作されたと聞いてすごいなあ!とは思ってたんですけど、、、。
カニゼンメッキは膜厚はどのくらいにされたんですか?メッキ後の表面はどうされたんでしょう。
僕はどうしてもシリンダー側にはホーニングをしたくなってしまうんですが、そうすると膜厚を相当確保しなくてはいけなくなって、それじゃあやっぱり電解メッキか、そうするとニカジルかあ、なんてことになっちゃって、こちらはあまり考えてなかったんですけれども。
みなさんに、こころから感謝いたします。なんだか僕にとってもここがとても心強い相談場所みたいになってきました。
っていうか発想をもらえるインキュベーターみたいな感じです。ありがとうございます!!
Posted by IB井上 at 2005年11月21日 08:30
補足の情報ですが、ホンダがウィスカ短繊維強化複合材でメッキレスのアルミスリーブを使ってめっきという異素材を併用しない「アルミ合金のみ」のシリンダーを使ったバイクは
’93年暮れに発売されたRC45/RVF(750)というバイクだそうです。
Posted by IB井上 at 2005年11月21日 16:07
井上社長様
RC45のスリーブですが、パウダーメタルコンポジットですね・ハイシリコンとセラミック等々の練り込み押し出しスリーブのことかな?
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月21日 17:23
北海の熊足さん、どうもです。
そのパウダーってのが粉末のことでしょうね。メタルコンポジットは複合金属、ですよね。シリコンとセラミック「などなど」の部分にウィスカ短繊維がはいっていて、これがキモのようです。
そして、、、押し出し、もまさにそうなんですー。
barebare(^_^;;;;
Posted by IB井上 at 2005年11月21日 17:36
こんばんは。確かに私が言ったバランスだと、シリンダー側が負けやすいですね。負けやすい事で焼き付きをクリアさせると思いまして(^_^;)。いやはや、本当に楽しみですねー。
Posted by タケ at 2005年11月21日 20:16
井上社長様。
やっぱり〜そうですよね〜。今まさにビートのスリーブって・・・夢に出てきそうです(##)
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月21日 21:05
今晩は、また見にきました。活発なご意見の数々楽しいですね!
色々勉強になります。
メタルコンポジット!なにやらビデオの磁気ヘッドみたいな物かな?(全然違う?)

私のGAUCHOのメッキの件ですが膜厚10μです。
FCDにカニゼンした理由は、作ったスリーブの材質に自信が無く、ピストンリングに溶着してしまうんじゃないかと思って、あえて鉄系ではないニッケルを間に挟もうと思ってメッキしました。
そして硬度をあげるために400度(だったかな?)で焼きいれしました。
アルミは660度(ちょっと自信無し)くらいが融点のためちょっときついかもしれません。
内面のホーニングの件ですが、カニゼンは前にも書きましたが、均等にメッキが乗るので、下地をホーニングしておけば問題無いと思います。
電解ニッケルだと膜厚はコーナー部で増えてしまいます。カニゼンだと膜厚管理も時間で管理しますから厚付けも可能です。(均等に狙った厚みが増えます)
俗に言うメッキがはがれる心配は電解メッキより
少ないと思います。
あとアルミとの相性は抜群です。

私のGAUCHOは素人が出来る範囲で既存の技術を使った物です。たまたま工業界にて生活の糧を得ていて趣味が不動車を直すこと程度です。
あくまでも完全な物ではありません。
井上ボーリング様のように専門知識もありません
ご参考程度に書き連ねました。
Posted by reo226 at 2005年11月21日 21:15
reo226様、情報をいただき感謝!です。
なるほど、ほんとに参考になります。不動車をなおす事を趣味とされていますが、完全に趣味の範疇を逸脱していますね。すごい取り組みだと思います。
またバイクもほんとうにレアなものをお持ちですしね!
以前にお近くだとうかがっていましたので、一度実物を拝見できれば、などと思ってしまいます。
ウチもあくまでも(内燃機)加工屋であって、チューナーでもなんでもないので、加工技術以外はシロートです。ただ、加工技術の延長で、なにかお客様の役にたてることがあればやりたいとは思っているんですけど、、、、。
教えていただくことの方が全然多いですね。別途メールさせていただきますので、よろしくお願いします。(^^)
Posted by IB井上 at 2005年11月22日 11:28
WPC処理モリブデンショットのNEムラタです。
今回は残念な結果になりましたが、また企み(?)があれば協力させてください。
ウチでもマネしてブログ始めました。是非お客様に見てもらいたいので引用させてください。
宜しくお願いします。
Posted by NEムラタシンスケ at 2005年11月22日 11:42
村田さん、いつもお世話になっています。
WPC&MOS2は素晴らしい技術でほんとに助かっています。
トラックバックはさっそく承認させてもらいました。みなさんぜひエヌイーさんのblogも見てみてください。
Posted by IB井上 at 2005年11月22日 11:47
ダハハ、不勉強なオイラは、現行のチョイノリやバンバン、グラストラッカーやアドレスV125にまでSCEM(スズキ・コンポジット・エレクトロケミカル・マテリアル)が採用されていることを知りませんでした(^^; チョイ前のGSXー1000RやTL1000には採用されていたけど、チョイノリまでとは・・・。
 ちなみにヤマハのダイアジルメッキは、マグザムとアセアン向けの135ccに採用済です。
山海堂の書籍に内燃機関モノが多く、水素モノの特集もありますね。
Posted by ハラ at 2005年11月26日 01:02
追伸
「高速めっきシリンダー」とも言ってますね、スズキは。
http://www.suzukifund.jp/3_0_3.htm
Posted by ハラ at 2005年11月26日 01:50
ハラさん、こんにちは!
ご紹介のスズキのバイクはみんなメッキシリンダーですね。
僕はなんとかメッキレスでやりたかったんです。最大の理由は電解メッキだと、電極の製作に大きな投資が必要で、ウチのような単品製作ではコストがひき合わないためです。量産だとむしろメッキは安上がりな技術だと思うんですけどねー。
ところが、メッキについていろいろ調べて行くうちにどうやら無電解メッキで凄いものがあることがわかってきてしまいました。ホンダやヤマハも研究中のようです。これなら初期投資もなくて、あらゆるエンジンに適用可能です。ただしこのメッキはニカジルとちがってシリンダーそのものにスリーブレスで内径メッキすることはできず、アルミスリーブを製作してメッキをすることが必要です。つまり量産メーカーにとってはコストダウンにならないでしょう。でも、ウチにとっては使いやすい技術になりえます。
もしかしたら、アルミスリーブはその方向ですすめることになるかもしれません。
ついにIBは大メーカーに追いついたか?!わはは(^o^)
Posted by IB井上 at 2005年11月26日 07:35
井上社長様。いつもお世話様です。
もの凄く興味がありますw、アルミシリンダーにそのままメッキは出来ないのですか?IB様ならアルミスリーブを制作する事は出来るのですから良いですね、なんてったって熱伝導ではアルミですもんね。
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月27日 07:35
今晩は、またちょっと見に来ました!
カニゼンのピストン出来上がったんですね!
アルミスリーブとの相性早くみたいですね!
きっとうまく行くと思います。私のGAUCHOエンジンのばらしは来月になると思います(仕事が忙しくて、時間が取れません・・)

北海の熊足さんすごい勉強家ですね!
IB様のお問い合わせのページで可変シリンダーの
写真見させていただきました!
あのようなシリンダーもあるのですね!初めて見ました。

ちょっとこのブログとははずれて申し訳ありませんがどのような用途のエンジンなんでしょうか?

あとカニゼンについて補足説明ですが、マスキングにて部分的にメッキも可能です。ですからシリンダー内のみも可だと思います。(ただし費用は別途かかるとおもいますが)
カニゼンは樹脂にもメッキ可能なメッキです。
トロフィーや盾など金属みたいに見える部分は
樹脂(成形品)にカニゼンをつけて着色したものがほとんどです。
マスキングについては以前仕事でやりました。

ただ膜厚についてマスキングすると厚付けがどのくらいまでかが分かりません。そんなに載せられないんじゃないかと思いますが。

アルミスリーブエンジン早く見たいですね!
エンジンの熱だれを防ぐためにも熱伝導は重要です。井上ボーリング様のご健闘期待してます。
Posted by reo226 at 2005年11月27日 18:53
いやー、blog史上最大のコメント数になってますね(^^;;
reo226さん、今回のピストンは手元にあったRZR用で、テストに使うほうはまだ輸入もできてなくて、だいぶ先になりそうです。
今回もリング部分とピストンピン穴にはマスキングしてもらいました。
スリーブにメッキの方ががぜんオモシロくなってきました。
いろいろやってみようと思います。またなにかすすめばご報告しますので、気長にお待ちください。(^o^)
Posted by IB井上 at 2005年11月27日 21:10
reo226様。有り難う御座います。例のヘットですが、2サイクル2気筒のスノーモービルのです、今からおよそ16年前にこの様なものと出会いかなりはまっていますw(##)800ccで160PSと・少々派手ですが色々な経験をさせて頂いてます。じつは、自分も昔バイク乗りでして、戦歴は、CB50から始まりドウカテイに終わる変わり者でした。そんなこんなで色々な勉強をさせて頂いているこの頃です。また、井上社長様。勝手にブログをこの様な私事で使用させて頂きましたことをお許し下さい。
Posted by 北海の熊足 at 2005年11月28日 00:02
北海の熊足 さん、どうも。
今はバイクの方は乗っていないんですか?
スノーモビルも北の方ではハマっている方が結構いらっしゃるようですね。たまに変わったご依頼をいただくことがあります。
エンジンがらみの話題ですからね。ぜんぜん問題ありません。どんどんここをいろんなことに使ってください。
Posted by IB井上 at 2005年11月28日 06:32
アルミシリンダーはベンツが採用している
Silitec liner が世界でもっとも実績の
ある材料です。シリコンを25% も入れていますが、シリコン粒子をμ単位で管理し、更に
シリンダーに均一にシリコンを分布させる
技術があります。 アルミの焼きつきをとめる
為に表面処理をしますが、これはコーティング
とかではなく、エッチングにてアルミを
ほんのわずか溶かし、ピストンリングとの初期
当たり面をシリコンで受ければ問題ありません、
一旦なじむと後はスムースです。

私はそのライナーを作っているドイツの
メーカー PEAKの日本代表をしています。
ご興味ありましたら連絡ください。
Posted by 山口雄三 at 2006年04月17日 16:17
山口様、コメントありがとうございます。
ものすごく興味があります。
いまはやむなく、メッキスリーブの方向で研究していますが、もしメッキなしでもできるものなら、ぜひやってみたいと思います。
ご連絡先を教えてください。
よろしくお願いいたします。
Posted by IB井上 at 2006年04月17日 16:30
井上様、
めっきはいろいろと問題があります。
連絡先は yuzo@f3.dion.ne.jp にメイルください、あるいは電話 043-213-2278 です。

当社は量産対応ですので、数量が小さいと
プロトタイプ価格となり、高くなりますが、
物はなかなかのものです。ご連絡ください
山口
Posted by 山口 at 2006年04月17日 16:38
山口様、さっそくにありがとうございます。
今日は社を出てしまったので、明日メールにてご連絡させていただきます。
やはり小ロットの対応はたいへんですよね。現在はこの時のみなさんとのコメントのやりとりの時点からはだいぶすすんで、実績あるニカジルメッキによるあらゆるシリンダーへの一個からの対応が既に実現しています。
ですが、メッキレスに対するみなさんの関心はたいへん高いので、当社としても無視できません。
ベンツのアルミをエッチングするという方法は以前に文献であたったことがあります。シリコンだけが表面に残って、アルミの退けた部分がオイル溜まりになる、というようなことだったかと思います。興味深いです。

それでは、明日またよろしくお願いいたします。
Posted by IB井上 at 2006年04月17日 18:45
 アルミ加工の分野では、S-MAGICとかいう日立金属製の特殊鋼を使うと工具の凝着が防げるらしいです。
Posted by 熱田金型 at 2007年11月11日 07:41
出遅れの感がありますが、ダイムラーのアルミシリンダーは、山口氏の仰るようなエッチングによる方法、アルシルと最近のアルミシリンダーに持ちいる蒸着、スパッタリングによるものが出ています。
いずれも、シリンダーのシリコン含有量が国産のオートバイのものより多く、そのまま応用できるかは疑問が残ります。
経験上ですが、アルシルにアルミピストンをそのまま組むと、低回転域での潤滑不良でダキツキが起きています。鉄メッキ、Fe-Coat等が必要なようですが、Tela-CのDLCでは表面粗さにもよりますが良い結果が出ているようです。
Posted by NIIBE at 2009年04月28日 10:58
 新型工具鋼のS-MAGICですね。このまえの日本トライボロジー学会でやっていましたね。別情報によると、摩擦面に自動的にダイヤモンドが形成されるらしい。
Posted by 金型屋 at 2012年06月10日 17:55
 日立金属のS-MAGICって鉄鋼材料としては初の自己潤滑性がある工具鋼だ。つまり宇宙戦艦ヤマトが地球技術で初の光速突破したことと同じぐらいの革命的進歩だ。しかもいくつかのトライボロジー評価機関からの摩擦面でのダイヤモンド形成の報告が相次いでいる。画期的すぎる材料だ。凄い合金設計でもある。
Posted by プロの目 at 2012年07月03日 21:15
 先月の、「プレス技術」を読みましたが、日立金属の高性能冷間工具鋼、SLD−MAGICのトライボロジー特性は凄いですね。微量の油をぬったセミドライ状態で、摩擦させるとまるで先端技術のDLCのような自己潤滑性が出るなんて。耐摩耗性も高いのでコーティング費用分コストパフォーマンスが良く、耐荷重能も2500MPaぐらいに高強度でいろんな転動・摩擦・摺動部品にも使えそうだ。このメカニズムについてはダイヤじゃないような話だったな。
Posted by 掘削工具屋 at 2013年02月10日 02:30
先日、その高性能工具鋼の自己潤滑性とかいう話を日本トライボロジー学会で聞いたが、モリブデンとかカーボン、それにDLCコーティングなどの怪しげな論説とも整合し、油中添加剤の極圧効果にも拡張できる話は面白かった。そのメカニズムをひらたくいえば世界初かつ世界最小の本格的ナノマシンであるボールベアリング状の分子性結晶(グラファイト層間化合物)が金属表面に自己組織化されて、フリクションが良くなるということらしい。
Posted by プレス金型屋 at 2013年07月01日 20:50
 さすが高級金属カンパニーの鉄鋼材料だ。
Posted by オートモティブ at 2016年09月04日 19:25
 CCSCモデルの反響は大きいですね。焼付きと低フリクション性を両方説明できる、ダイヤモンド状態図理論は画期的ですね。
Posted by 熱力学関係 at 2020年01月21日 19:05
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

井上社長の挑戦!
Excerpt: ボーとしている僕らとは違い、IB井上社長は、日夜モリブデンショットの可能性を探ってくれています。是非ご覧下さい。
Weblog: ショットしましょっと。
Tracked: 2005-11-22 11:38
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。