っていうか、まだテストを始めてもいない時点(車体が完成してなくてIBに持ち込まれてもいない)でもうエンジンが逝っちゃいました。(^o^)
いやー、前途多難そうで楽しいなあ。
ピストンとスリーブはこんなダメージ。
実はある程度予想はしていました。ハイシリコンのアルミ同士の摺動は相性が悪く焼き付くという記述を文献にあたっている間に見つけていたためです。でも、実際やってみなくちゃわかりませんからね。
特に今回はピストン・リングにWPC&MOS2を採用していたので、多少は効果があることを期待していました。
ただ、考えてみるとMOS2は表面全体を別の材種で覆うメッキやコーティングなどとちがって、アルミの面のところどころに再結晶してモリブデンがささるようなカタチで分布しているような状態ですから、やはり無理だったかもしれません。でもこのことはMOS2処理の性能の優劣を評価したことにはならず、要は用途が違うということに尽きると思います。
失敗は成功のもと。っていうのはこんな時に使う言葉でしょうね。たくさんの失敗を重ねて何がダメでなにがいいかを峻別していくんですよね。
次なるテストとしてはピストン側にニッケルメッキを施すことになっています。これでハイシリコンのアルミ同士が摺動することを回避します。いま、RZR用のピストンをすでに試作をお願いしていて、来週にはあがってくる予定です。
これも寸法精度・膜厚などが期待通りだったら、まずはブルタコのピストンをメッキしてテストを継続します。
それから、ブルタコは一旦鋳鉄スリーブに戻してまずは車体の完成を竹内さんにすすめてもらう予定です。
ビートはどうしようかなあ。
む〜だめでしたか(〜〜)でも、次から次と試してみる・・・凄い研究心。
こんどは、ピストンにニッケルメッキですか・・
膨張率などど〜なんでしょうね、楽しみにしています。
アルミスリーブ魅力的ですね、でも鋳造のアルミとの相性はやはり良くないんじゃないかと思っていました。
ピストンにニッケルメッキは良いと思います。
カニフロンの方がもっと良いような気がしますが?
あと秘密のアルミ素材の種類が聞きたいですね、
企業秘密でしょうが・・・
膨張率は気になるところですね。ただ、膜厚は10μ以下です。
どうなることやら。(^^)
reo226さん、ご無沙汰してます。読んでいただいてたんですね。
シリンダーでよく使われるニカジルメッキもニッケル系ですから、ニッケルメッキとハイシリコンのアルミとの相性はいいんではないでしょうか。
無電解ニッケルメッキ(=カニゼンメッキなんですね)はチューニングパーツのHKSでもピストンに採用されているようです。
カニフロンも調べてみまーす!
こんな自分って変かな〜と思っていましたが、
安心?しました。
思考錯誤の繰り返しでやってみないと納得しない
自分の性を家族はあきれて見ています・・・
ところでカニフロンはカニゼンにテフロンコートをしたメッキです。
カニゼンの均一性(膜圧が一定密着度も良く)表面硬度も高い
それにテフロン(フライパンに使われている?)の耐熱性と耐かじり性がマッチしたメッキです。
デバイス関連の仕事をしていると時々加工品の
後処理で指定されます。
近い材質同士をこすり合わせると(高速高加重)
かじりを生じます。(摩擦溶接と原理は同じ)
材質と硬度の差がキーポイントだと思います。
アルミスリーブとアルミピストンの間にニッケルメッキが入る事でずいぶん違うんじゃないかな?
と偉そうな事書きましたが、皆さんの方が専門家でしたね!(ど素人の戯言です、一笑に附してください)
ではまた実験結果のご報告を楽しみにしています。
ヤマハのダイアジルシリンダー(4ストだべな)
http://www.yamaha-motor.co.jp/news/2002/07/31/innovation.html
ヤマハのダイアジルは鋳造でシリコンを20%含有なんですね。
いまウチでやっているのは30%シリコンを含んでいます。鋳造ではこんなにシリコンをいれるのは無理なようです。
ホンダではウィスカ短繊維というのを混ぜて、NSXやS2000でアルミスリーブを実用化しています。バイクでも過去に1機種実績があるようです。ベンツもやってますね。実際ボーリング屋をやってると、そいういうブロックが既にたまにボーリング依頼が来る時代になっています。
ウチではそんな最新の技術をなんとかみなさんから内径加工をご依頼いただく一般のエンジンにも投入することができないか、という方向で考えています。
軽量化・放熱性・膨張率などの点で大きなメリットをご提供できるようになれればと思います。
実はウチのお客様の中にはアルミのシリンダーをそのままボーリングして、鋳造アルミの肌のままでモトクロス3レースは持ったよ、なんて豪快な方もいらっしゃいます(^o^)
しかし空冷のアルミフィンはただでさえ鋳造が難しいと言われているのに、20%シリコン含有でそれをやってしまうヤマハの技術もすごいもんですね。
ニカジルメッキ用シリンダーも結構内径にアルミ鋳巣が出て不良率の高い機種があったりするのになあ。
皆さんのご意見なるほど勉強になります。
AL-SIのアルミスリーブなんですね!なるほどA4000番系でSI-30%すごい見たこと無いです。
ピストンはADC1とかAC3Aとかの材質なんでしょうか?
爆射とはイオンプレーティングみたいな方法なんでしょうか?
すみません勉強不足で・・・
私のGAUCHOはFCDのスリーブでカニゼンメッキ後
熱処理で硬度を上げてリビルド後3000kmを走っています、今度ばらして内径の計測してみます。
カニゼンがどのくらい磨耗しているか?
アルミスリーブが完成することを
きっと皆さんも、わくわくした気持ちで待ち望んでいるんだと思います。結果が早く知りたいなー
乱文にて失礼します。
サイコーです。わくわくして拝見しています。
技術てきに、無理では無いのですね。皆さんの知識と経験談をもっと勉強したいと思います(加工は鰍hB様にお願いですが)世の中ほんと〜に
濃い人ばかりですね。
シリコンが入っているとA4000番系、確かにそうですね。みなさんよくご存知ですねー。
でも、今ウチがトライしているのは、、、、実は、、、、!!
粉末冶金なんです。だんだんばれちゃうなー、あはは。
ピストンはAC8Bあたりでしょう。
ピストンにメッキをする理由は硬度が必要なわけではなく、あくまでもハイシリコンのアルミとの相性です。ハイシリコンのアルミ同士では焼き付きやすいし、例えばハードクローム同士でも焼き付くらしいです。
むしろあんまり相手が硬度が高くてもアルミスリーブが負けてしまいそうな気がします。
うわー、すでにカニゼンメッキでシリンダーを作ってらしたんですか!FCDでも表面のメッキについては同じことですよね?!
すごいすごい!前にも伺ってましたっけ?コンロッドを製作されたと聞いてすごいなあ!とは思ってたんですけど、、、。
カニゼンメッキは膜厚はどのくらいにされたんですか?メッキ後の表面はどうされたんでしょう。
僕はどうしてもシリンダー側にはホーニングをしたくなってしまうんですが、そうすると膜厚を相当確保しなくてはいけなくなって、それじゃあやっぱり電解メッキか、そうするとニカジルかあ、なんてことになっちゃって、こちらはあまり考えてなかったんですけれども。
みなさんに、こころから感謝いたします。なんだか僕にとってもここがとても心強い相談場所みたいになってきました。
っていうか発想をもらえるインキュベーターみたいな感じです。ありがとうございます!!
’93年暮れに発売されたRC45/RVF(750)というバイクだそうです。
RC45のスリーブですが、パウダーメタルコンポジットですね・ハイシリコンとセラミック等々の練り込み押し出しスリーブのことかな?
そのパウダーってのが粉末のことでしょうね。メタルコンポジットは複合金属、ですよね。シリコンとセラミック「などなど」の部分にウィスカ短繊維がはいっていて、これがキモのようです。
そして、、、押し出し、もまさにそうなんですー。
barebare(^_^;;;;
やっぱり〜そうですよね〜。今まさにビートのスリーブって・・・夢に出てきそうです(##)
色々勉強になります。
メタルコンポジット!なにやらビデオの磁気ヘッドみたいな物かな?(全然違う?)
私のGAUCHOのメッキの件ですが膜厚10μです。
FCDにカニゼンした理由は、作ったスリーブの材質に自信が無く、ピストンリングに溶着してしまうんじゃないかと思って、あえて鉄系ではないニッケルを間に挟もうと思ってメッキしました。
そして硬度をあげるために400度(だったかな?)で焼きいれしました。
アルミは660度(ちょっと自信無し)くらいが融点のためちょっときついかもしれません。
内面のホーニングの件ですが、カニゼンは前にも書きましたが、均等にメッキが乗るので、下地をホーニングしておけば問題無いと思います。
電解ニッケルだと膜厚はコーナー部で増えてしまいます。カニゼンだと膜厚管理も時間で管理しますから厚付けも可能です。(均等に狙った厚みが増えます)
俗に言うメッキがはがれる心配は電解メッキより
少ないと思います。
あとアルミとの相性は抜群です。
私のGAUCHOは素人が出来る範囲で既存の技術を使った物です。たまたま工業界にて生活の糧を得ていて趣味が不動車を直すこと程度です。
あくまでも完全な物ではありません。
井上ボーリング様のように専門知識もありません
ご参考程度に書き連ねました。
なるほど、ほんとに参考になります。不動車をなおす事を趣味とされていますが、完全に趣味の範疇を逸脱していますね。すごい取り組みだと思います。
またバイクもほんとうにレアなものをお持ちですしね!
以前にお近くだとうかがっていましたので、一度実物を拝見できれば、などと思ってしまいます。
ウチもあくまでも(内燃機)加工屋であって、チューナーでもなんでもないので、加工技術以外はシロートです。ただ、加工技術の延長で、なにかお客様の役にたてることがあればやりたいとは思っているんですけど、、、、。
教えていただくことの方が全然多いですね。別途メールさせていただきますので、よろしくお願いします。(^^)
今回は残念な結果になりましたが、また企み(?)があれば協力させてください。
ウチでもマネしてブログ始めました。是非お客様に見てもらいたいので引用させてください。
宜しくお願いします。
WPC&MOS2は素晴らしい技術でほんとに助かっています。
トラックバックはさっそく承認させてもらいました。みなさんぜひエヌイーさんのblogも見てみてください。
ちなみにヤマハのダイアジルメッキは、マグザムとアセアン向けの135ccに採用済です。
山海堂の書籍に内燃機関モノが多く、水素モノの特集もありますね。
「高速めっきシリンダー」とも言ってますね、スズキは。
http://www.suzukifund.jp/3_0_3.htm
ご紹介のスズキのバイクはみんなメッキシリンダーですね。
僕はなんとかメッキレスでやりたかったんです。最大の理由は電解メッキだと、電極の製作に大きな投資が必要で、ウチのような単品製作ではコストがひき合わないためです。量産だとむしろメッキは安上がりな技術だと思うんですけどねー。
ところが、メッキについていろいろ調べて行くうちにどうやら無電解メッキで凄いものがあることがわかってきてしまいました。ホンダやヤマハも研究中のようです。これなら初期投資もなくて、あらゆるエンジンに適用可能です。ただしこのメッキはニカジルとちがってシリンダーそのものにスリーブレスで内径メッキすることはできず、アルミスリーブを製作してメッキをすることが必要です。つまり量産メーカーにとってはコストダウンにならないでしょう。でも、ウチにとっては使いやすい技術になりえます。
もしかしたら、アルミスリーブはその方向ですすめることになるかもしれません。
ついにIBは大メーカーに追いついたか?!わはは(^o^)
もの凄く興味がありますw、アルミシリンダーにそのままメッキは出来ないのですか?IB様ならアルミスリーブを制作する事は出来るのですから良いですね、なんてったって熱伝導ではアルミですもんね。
カニゼンのピストン出来上がったんですね!
アルミスリーブとの相性早くみたいですね!
きっとうまく行くと思います。私のGAUCHOエンジンのばらしは来月になると思います(仕事が忙しくて、時間が取れません・・)
北海の熊足さんすごい勉強家ですね!
IB様のお問い合わせのページで可変シリンダーの
写真見させていただきました!
あのようなシリンダーもあるのですね!初めて見ました。
ちょっとこのブログとははずれて申し訳ありませんがどのような用途のエンジンなんでしょうか?
あとカニゼンについて補足説明ですが、マスキングにて部分的にメッキも可能です。ですからシリンダー内のみも可だと思います。(ただし費用は別途かかるとおもいますが)
カニゼンは樹脂にもメッキ可能なメッキです。
トロフィーや盾など金属みたいに見える部分は
樹脂(成形品)にカニゼンをつけて着色したものがほとんどです。
マスキングについては以前仕事でやりました。
ただ膜厚についてマスキングすると厚付けがどのくらいまでかが分かりません。そんなに載せられないんじゃないかと思いますが。
アルミスリーブエンジン早く見たいですね!
エンジンの熱だれを防ぐためにも熱伝導は重要です。井上ボーリング様のご健闘期待してます。
reo226さん、今回のピストンは手元にあったRZR用で、テストに使うほうはまだ輸入もできてなくて、だいぶ先になりそうです。
今回もリング部分とピストンピン穴にはマスキングしてもらいました。
スリーブにメッキの方ががぜんオモシロくなってきました。
いろいろやってみようと思います。またなにかすすめばご報告しますので、気長にお待ちください。(^o^)
今はバイクの方は乗っていないんですか?
スノーモビルも北の方ではハマっている方が結構いらっしゃるようですね。たまに変わったご依頼をいただくことがあります。
エンジンがらみの話題ですからね。ぜんぜん問題ありません。どんどんここをいろんなことに使ってください。
Silitec liner が世界でもっとも実績の
ある材料です。シリコンを25% も入れていますが、シリコン粒子をμ単位で管理し、更に
シリンダーに均一にシリコンを分布させる
技術があります。 アルミの焼きつきをとめる
為に表面処理をしますが、これはコーティング
とかではなく、エッチングにてアルミを
ほんのわずか溶かし、ピストンリングとの初期
当たり面をシリコンで受ければ問題ありません、
一旦なじむと後はスムースです。
私はそのライナーを作っているドイツの
メーカー PEAKの日本代表をしています。
ご興味ありましたら連絡ください。
ものすごく興味があります。
いまはやむなく、メッキスリーブの方向で研究していますが、もしメッキなしでもできるものなら、ぜひやってみたいと思います。
ご連絡先を教えてください。
よろしくお願いいたします。
めっきはいろいろと問題があります。
連絡先は yuzo@f3.dion.ne.jp にメイルください、あるいは電話 043-213-2278 です。
当社は量産対応ですので、数量が小さいと
プロトタイプ価格となり、高くなりますが、
物はなかなかのものです。ご連絡ください
山口
今日は社を出てしまったので、明日メールにてご連絡させていただきます。
やはり小ロットの対応はたいへんですよね。現在はこの時のみなさんとのコメントのやりとりの時点からはだいぶすすんで、実績あるニカジルメッキによるあらゆるシリンダーへの一個からの対応が既に実現しています。
ですが、メッキレスに対するみなさんの関心はたいへん高いので、当社としても無視できません。
ベンツのアルミをエッチングするという方法は以前に文献であたったことがあります。シリコンだけが表面に残って、アルミの退けた部分がオイル溜まりになる、というようなことだったかと思います。興味深いです。
それでは、明日またよろしくお願いいたします。
いずれも、シリンダーのシリコン含有量が国産のオートバイのものより多く、そのまま応用できるかは疑問が残ります。
経験上ですが、アルシルにアルミピストンをそのまま組むと、低回転域での潤滑不良でダキツキが起きています。鉄メッキ、Fe-Coat等が必要なようですが、Tela-CのDLCでは表面粗さにもよりますが良い結果が出ているようです。