2023年11月17日

2スト水素バイクの技術解説 4

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さて、先日筑波で公開走行を果たした1号機ですが、これスロットルをうんとひねって加速すると、煙が出るんです。
1号機のエンジンの構造はざっくり言うともともとのTY250Sの2ストエンジンに燃料噴射システムを搭載した、それだけのシンプルなものです。エンジンの潤滑はエアバルブの役割をしているキャブレターのところから2ストオイルをオイルポンプで吹き込んでいる仕組みがそのままです。
煙が出るのは当然ですね。

エコバイクなのに煙が出ちゃうの?(笑)
と言うのも当然の反応ですが、そこで僕たちも考えました。
この2ストオイルに昔懐かしい、いい匂いのするカストロールのような植物製の2ストオイルを使うんです。そうすると植物が生育する間にCO2を吸って、それを燃やしているのですからこの水素バイクは
「カーボンニュートラルじゃないか!」と言い張るわけです。(笑)
バイオディーゼルなんかと同じ発想ですね。

元々ガソリンとオイルの混合比は50:1などですから、(ガソリンとオイルを構成するCO2の比率が同等だとすれば)ガソリンをやめて水素にした時点で98%のCO2を削減している計算になります。さらにそこに植物製オイルを使っていれば、確かに見た目は煙が出ているけれども、そのくらいはおおめに見てください、2スト乗りだったら煙はすきでしょ?
こう言って済ませてもいいくらいのものだと思いますが、いかがでしょうか?(笑)

ところが、1号機を開発して気づいたことがありました。それはなぜかクランクシャフトがベッタベタにオイルまみれになってしまうんです。考えているううちにわかったのですが、ガソリンはものを脱脂をする効果がありますよね。オイルに濡れた部品をガソリンで洗うことで、きれいにオイルがなくなって乾いた部品を手にすることができます。

2ストエンジンではガソリンがクランクケース内を通過せざるを得ませんから、このガソリンがクランクシャフト(や他の部分を)脱脂してしまっているわけです。そのためにそこを潤滑するために大量のオイルを必要としています。
ところが水素バイクではガソリンを使っていません。クランクシャフトが脱脂されることもないので、潤滑のための2ストオイルはその分かなり少量で済むことがわかっています。

その昔、ビモータのデュエという2ストバイクがシリンダーへのガソリン燃料噴射を採用していて、排気がきれいであると謳っていました。それはこのことを言っていたんですね。デュエに限らず燃料噴射をシリンダーに行うタイプの2ストエンジンではオイル消費はかなり減少させることができ、排気もそれだけクリーンなものになります。

実は2号機ではこの問題をさらに進める方向で開発を進めているんです。
すでに発表しているように2号機は2ストの基本的な構造であるはずの一次圧縮をしないエンジンにすることになっています。この最大の目的はクランクケース内に水素が入って異常爆発を起こすことを完全に回避することです。

ですが、そのために燃料はいっさいクランクケースを通過せず、クランクケースは4ストと同様に独立した密閉した構造になります。クランクシャフトはオイルに浸かっている状態です。

もうお気づきだと思いますが、これなら、4ストと同様の潤滑の仕方となり、排気も4スト同様にきれいになり、煙を吐かない2ストエンジンができるのではないか?ということになります。

この点についてはまだまだ検証しなければならない点が多いので、また項を改めてお話しを続けたいと思います。

次回解説5では煙を吐かない2ストエンジンの可能性についてお話しする予定です。

posted by sotaro at 11:38| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 水素バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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