iB チーフフロントKKURUMIさん。 「水素バイクの開発が成功しますように!」
もう一度、水素バイクに挑戦してみようとなると、その前に前回の水素バイクはなんだったのか総括してみる必要はあるでしょうね。
多くの雑誌やBSの番組、そして地上波WBSのトレンドたまごのコーナーでも紹介されたiBの水素バイクですが、
性能的には十分フツーのオートバイらしく走行することができました。
ただ、航続時間が10分程度(走り方で大きく変わります。)と実用にするには不満なものでした。
でも、現在水素ステーションで供給されているという800気圧の水素と10L程度のタンクが使えれば、航続距離は一気に4〜5時間に伸びる計算です。
エンジンそのものの性能というよりは水素を搭載する方法の問題です。
こちらは近い将来解決される可能性が高いです。TOYOTAさんも汎用の水素カートリッジを開発・発表していますね。
エンジンのほうもまったく問題がなかったかと言うと、水素特有の不正爆発を完全には抑えることができませんでした。
クランクケース内で時折不正爆発が起こるんです。今回この問題を完全に解決できる方法を考えつきました。
ここではっきりとさせておきたいのは、前回の水素バイクの開発には開始前からはっきりとした目標があったことです。
それは
「水素エンジンの開発が可能であり容易であることを証明してみせる。」ということでした。
いっさい特許などを申請することもなく、むしろ追従者が現れることを期待していました。
開発の過程は常にblogで公開していました。
もとよりiBに水素バイクを開発して量産・販売するというようなことなどできるはずもありません。
どこかの大手メーカーに取り組んでもらいたかったんです。
第一次水素バイクプロジェクトはiBの技術や夢、存在をアピールする「アートプロジェクト」でした。
この目標については完全に達成した、と考えています。
それではこれから始める「第二次水素バイク」プロジェクトは何を目指すのでしょう。
折しも世の中はバイクブームを迎えていて、また一方でエンジン生産の終焉が現実のタイムテーブルに乗った時代です。
前回とは随分世相が様変わりしています。
特にヴィンテージモーターサイクルの高騰という事態も、我々の業界にとっては大きな変化です。
まだ思い付いたばかりで目標を確定するところまではいきませんが、このような情勢を受けて、
やはりiBとしては新しい水素バイクを量産・販売するというようなことではなく、
旧いバイクを水素バイク化する技術を目指すということになるのではないかと思います。
内燃機関の乗り物が作られない時代になるまでに、旧いエンジンを水素化して延命する技術を開発しておく。
これには重要な意味があると思います。
いつまでもエンジンに跨って走る喜びが絶えることがないように。
たとえガソリンが供給されない時代になったとしても。
いかがでしょうか。