2022年07月02日

EVER SLEEVE(R)pat.について 6

・ 優れた放熱性

放熱性についてのお話となれば、まずは各金属の熱伝導率を見てみましょう。


    物質               熱伝導率[W/(m・K)]
球状黒鉛鋳鉄(C:3.46、Si:2.72、パーライト地)    20.1
アルミニウム6061-T6              170

蓄熱することで知られているステンレスSUS304が16.0です。
熱を通さないので、魔法瓶などにも使われますよね。鋳鉄の数値はそれに近いものです。
このように鋳鉄は金属の中でもかなり熱伝導が良くないことがわかります。

一方、アルミよりも熱伝導が良い金属というと、銅398、銀427、金315くらいしか見当たりません。
アルミは金属の中でもそうとう熱伝導に優れた部類です。
実際に電子部品などの放熱用のフィンなどもアルミで作られているものが多くみられます。

ちなみに
アルミニウム砂型鋳物材AC4C(Si:7、Mg:0.3) 151
鋳造のアルミよりもA6061の方がさらに熱伝導に優れていることもわかります。


熱伝導率の低い金属は、摩擦熱によって、焼付き、かじり等を起こしやすくなります。

シリンダーヘッドに次いで、エンジン内部の熱を強く受け止めるシリンダースリーブの放熱性が高いことは
エンジンがその熱を外に逃すにあたってたいへん重要であることは言うまでもありません。
燃焼室内の爆発による熱、特にピストンが受け止めた熱はピストンヘッドからピストンリングを経て接触するシリンダースリーブに伝わって、
そこから外へと伝わるのですから。

そこに熱伝導の悪い鋳鉄の壁を設けてしまうことはピストンの冷却を大きく阻害することになります。にも関わらずシリンダー内径に熱伝導のよくない鋳鉄スリーブを採用する必要性はどこにあったのでしょうか。

確かに20世紀にはまだアルミ表面に密着して剥離を起こさず、硬度が高く耐摩耗性の高いメッキの技術がなかったのでそれは止むを得ないことでした。でも、21世紀の今は違います。何も放熱が悪く重くて摩耗する鋳鉄をエンジンの内部に持ち込む理由などないのです。
実際、現在新車で生産されているスポーツバイクは各社全てアルミメッキシリンダーになっています。
鋳鉄スリーブを採用すると言うのはせっかく放熱性のいいアルミシリンダーの中に分厚い魔法瓶を仕込んでしまうようなものではないでしょうか。

IMG_8843.JPG

写真は一昨年製作したHONDA 1300(四輪車)のエンジンです。
鋳鉄スリーブを削り取って、アルミメッキスリーブ化しました。

このエンジンの開発時、本田宗一郎さんは「水冷よりも空冷の方が理に適っている」という信念のもと、1300ccの乗用車の開発に腐心されました。ただ、発表されたクルマの市場での評価はあまり芳しいものではなかったようです。

エンジン冷却のために複雑な2重のフィン構造と鋳鉄スリーブを持ったエンジンは重く、そこまでしても安定した冷却はできなかったと言うことです。

#もし、今iBが持っているEVER SLEEVE(R)pat.の技術をタイムマシンに乗って宗一郎さんに提供することができたら!

雷鳴のような轟音がとどろき、視界が開けると
タイムマシンから降り立った男が叫ぶんです。
「宗一郎さん、僕たちの夢を叶えるスリーブができました!!」

軽くて放熱性に優れ摩耗が圧倒的に少ないEVER SLEEVE(R)pat.は大いに宗一郎さんのお役に立てたのではないか、と思うとなんだかワクワクするような気持ちを止めることができません。もちろん、これは叶わない夢ですけれどもね。

でも、あなたのエンジンにEVER SLEEVE(R)pat.をお届けすることは現実にできるんですよ。(^o^)
posted by sotaro at 10:51| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エバースリーブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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