2022年06月09日

EVER SLEEVE(R)pat.について 2

エバースリーブはiBの得意技術アルミメッキスリーブICBM(R)が持つ7大メリットを全て受け継いでいます。
・圧倒的な耐摩耗性(ヴィッカース硬度=Hv2000!)
・軽量 (鋳鉄の1/3)
・低フリクション(リングの摩耗も減少)
・焼きつきにくい
・優れた放熱性
・膨張率の均一化
・そして錆びない!

今回のblog連載ではそれぞれの特徴の内容を詳しくご紹介していこうと思います。
まずは鋳鉄スリーブに比較した場合の
・圧倒的な耐摩耗性
についてです。
IMG_4915.jpeg
iBがアルミメッキスリーブの開発にトライしたいと思った最大の理由がこの耐摩耗性です。つまり高耐久な「減らない」スリーブ(シリンダー)を作りたい!
という願いがその発端なんです。

iBには当時もKAWASAKI H1/H2などのモデルのボーリング依頼も多数寄せられていました。旧車のエンジンのなかでもこのようなモデルではせっかく我々が神経を使ってお客様のご指示に寸分違わずたとえば0.067mmというようなご指定に沿って、高度な技術を要するプラトーホーニングで仕上げても、これがすぐに減ってしまうことがわかっているわけです。
これは素材の鋳鉄がよくないことに加えてパワーを追求したために大きすぎるポートをもつこれらのモデルでは、ピストンやリングがポートに飛び込むために、そのポートの上下が激しく削られてしまうことが原因です。
せっかく仕上げたシリンダーが慣らし運転を終わる頃には(一説には一度でも高回転まわしてしまうと)すぐにリング音・スラップ音が出てしまうということです。
これでは、正確にクリアランスを仕上げる意味さえわからなくなってしまいます。

90年代当時すでにiBはH社さんのシリンダーの全加工をお手伝いしていました。鋳鉄スリーブもありましたが、どんどんメッキシリンダーの比率が高まっていました。そのメッキはたいへんに固くホーニングするにも通常の砥石では歯がたたず、ダイアモンドの砥石を使う必要があります。常日頃から取り扱っているメッキシリンダーと同じ内径仕上げの技術を、我々が内燃機加工させていただくボーリング依頼のシリンダーにも適応する方法はないんだろうか。

「メッキができれば、減らないシリンダーは作れるじゃないか!」
我々がそのように思い至るのは極く自然なことだったと言えるでしょう。

ただ、実際に旧い鋳鉄スリーブシリンダーをオールアルミのメッキシリンダーに作り替えるのに必要なのは、実は生易しい技術ではありませんでした。ここでその開発の経緯をすべてお話しするのはこの項の目的ではありませんので割愛しますが、ICBM(R)として開発に成功し、ラインナップが完成するまでには、開発開始から12年の歳月が必要でした。

そして、できあがったICBM(R) アルミメッキスリーブ化は結果として現代生産されているスポーツバイクと同様の性能を備えています。

硬度でいいますと、鋳鉄スリーブがヴィッカース硬度(Hv)80~140程度なのに対して、ICBM(R)はメッキ地の部分でHv450と3倍の硬度をもち、さらにそこにHv2,000以上を誇るシリコンの粒子が含まれて摩耗の最前線を担っています。
鋳鉄とは桁違いの硬度、すなわち耐摩耗性能をもっているんです。

よくターカロイ鋳鉄の美点として黒鉛を含有していて自己潤滑性があるので、単純な硬度の比較は意味をもたないなどとして無理に鋳鉄のよさを強調する論調がありますが、このお話が通用したのはターカロイ鋳鉄が開発された昭和40年代のことでしょう。確かにターカロイは他の鋳鉄に比べるとこの点でたいへんに優れた技術ではありましたが、それは硬度をあげることのできない鋳鉄同士で比較した場合の微妙な優劣のお話にすぎません。上の硬度の比較で分かる通り、鋳鉄とICBM(R)のメッキではまったく比較の対象にならないくらい耐久性に圧倒的な差があります。
(第一ターカロイの優秀性を訴えて日本の内燃機屋でまっさきにターカロイ鋳鉄スリーブ製作をはじめたのは僕たちiBなのですから、鋳鉄との優劣について一番知っているのも僕達なんです。)

そうそう、この硬さの差を実感で説明しますと、機械加工をされたことがある方ならすぐにわかりますが、鋳鉄というのはとても削り易い金属です。
超硬のバイトでなくハイスでもサクサクと削れます。
ところがICBMメッキ後の表面は超硬でもコーティングでも歯が立たず、ダイアモンドチップを使わないと削れません。そのダイアモンドのチップもどんどん減っていきます。
なのでホーニングの研磨しろも極力小さくしないと、加工が大変なくらいなんです。ほんとに硬い。

実際6万キロ走行したメッキシリンダーの内径を測定しても有意な摩耗を見出すことはできませんでした。μ(0.001mm)代の摩耗があるのか、測定誤差なのかわからないという程度です。なので、いったい何十万キロもつのかはまだそこまで走った例がないので、わかりません。

とにかく現代に生産されるスポーツバイクはどこのメーカーのものもみんなメッキシリンダーになっています。それはメッキシリンダーが優れていて、重くて錆びて摩耗する鋳鉄スリーブなどこの21世紀に採用する理由がまったくないからです。

ただ、現代ではアルミメッキシリンダーの採用はもう当たり前のことなので、いちいちメーカーも新機種発表のたびに「アルミシリンダーを採用!」なんて自慢もしません。そのためにいまその価値があまり顧みられないのが、とても残念です。

 かくして、我々が夢見た「減らないシリンダー」を作る技術はとうとう現実のものになりました。

それが【ICBM(R)】であり、【EVER SLEEVE(R)pat.】です。

あとはこのメッキ内径の素晴らしさを知っていただいて、
「旧いバイクなんだから、エンジンは昔のままでいいや。」
などと言わず、最新のエンジンにも負けない内径を持った最高のシリンダーを作ることができるのですから、旧いオートバイ・エンジンを未来に残していけるように、どうかアルミメッキスリーブをご採用いただけないでしょうか。

多くのかたにアルミメッキスリーブの良さをご理解いただいて採用していただくこと。それこそが我々iBの次の夢、というわけなんです。
posted by sotaro at 14:09| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | エバースリーブ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック