2018年05月17日

自転車に乗ると思い出す。

その日、小学高学年だった僕はガキ大将の竹沢くんとめっぽう脚が速いのに体育の時間に力を抜いて走っては先生に怒られている辺見くんとで新宿の戸山の交通公園の前の長いクルマの来ない直線道路で遊んでいました。そのうちに、3人で自転車で競争をすることになってしまったんです。

なんで僕がその日に限っていつもと違うそんなメンバーと遊んでいたのかなんて全く思い出せないのに、そのあとに起こったことだけははっきりと覚えています。

「じゃあここがスタート線で交通公園の入り口のところまで、な。」

竹沢くんが勝手に決めたことに僕が「いいよ」と答えると、ふたりはギアをなんとトップに合わせてクランクを回して実際にギアをトップにしてしまいました。僕は逆で一番低いローに合わせました。

「トップにしなくていいのか?」と竹沢くんが聞いても僕は答えません。知らないのなら教えることなんかない。
ふたりは体が小さかった僕にまさか負けるとは思ってもいなかったでしょう。

「よーい、ドン!」と声がかかると僕はするすると飛び出します。二人はあわてて必死に重いギアの自転車を立ち漕ぎするけど進むわけがない。僕はギアを一段づつ上げながら圧倒的にリードをつけました!それでも、長い直線の最後には実力のちがいで辺見くんに追いすがられました。僕は必死に漕ぎに漕いでたぶんここがゴールなんだろうというところまで抜かれずに逃げ切ることができたんです。ざまーみろだ。

「はあ、はあ。これは井上の作戦勝ちだな。」って竹沢くんは言うけど、いや僕の方はフツーでしょう。
だから前から僕がギアの使い方を教えてあげても、速く走るときはトップギアにするんだって言ってわかろうとしないからさ。
僕はお父さんにクルマでギアの使い方を教えてもらったんだから、ちゃんと知っているんだって言ってるのに。

僕は得意でした。あんなにワクワクしたことはありません。
小さな僕と僕の5段ギアの自転車がおっきな9段ギアの体の強い二人に負けなかったんですから。

今でも自転車に乗ってギアをかえようとして、ギアがカリっとなるとこのときのことを思い出します。

あのとき、僕はちゃんとギアの使い方を知っていたんです。


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自転車に乗ると昔のことばかり思い出すのはなぜなんでしょうね。気持ちが戻ってしまうんですかね、少年に。

自転車通勤ですか、続けていますよ。雨が降らなければ、ね。

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posted by sotaro at 15:03| 埼玉 ☔| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
潜在能力があれど理解力が無いと発揮できないという
話ですよね。

でもエンジン扱うボーリング屋の社長らしい話です。
Posted by BEAT at 2018年05月28日 12:22
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