先週お客様からご支給のあったGPz1100のシリンダーがまさにこの問題で状態が悪かったので、ご報告します。
お客様のご依頼はご支給の鋳鉄スリーブに入れ替えのご希望でした。
そのためシリンダーに熱をかけたところ、モクモクと白煙があがったということです。
スリーブを抜いてみたところ、画像のような状態でした。
このようにスリーブが油まみれになっていたため、白煙が出たものです。
エンジンオイルがスリーブとシリンダーバレルの間の隙間に入り込んでしまっていたことがわかります。
Z1/Z2などでは頻繁にある事態なのですが、問題はこのGPz1100に関しては嵌合の緩さが原因ではなかったということなんです!
嵌合は0.1mm近くあり、実際冷えた状態のシリンダーではスリーブはしっかりとはまっていて、抜けることはありませんでした。
それにもかかわらずこのようなオイルの侵入が実際に起こってしまっているのです。
これはつまり、嵌合がしっかりととられていても、やはりアルミのシリンダーバレルと鋳鉄のシリンダースリーブでは熱膨張率に大きな差があり、エンジンに熱がかかるとその時点で隙間ができてオイルの侵入が起こってしまう、ということに以外に原因は考えられません。このシリンダーにはスリーブ下部にO-リングも装着されていましたが、効果はなかったようです。
現代のバイクでは大半のスポーツモデルではアルミメッキシリンダーが使われており、鋳鉄スリーブは使われなくなっています。その大きな理由がここにあると思います。
嵌合がしっかりしたGPz1100ですらこのようになるのですから、まして嵌合の緩いZ1やZ2で当時ものの鋳鉄スリーブをそのままボーリングして使用するという選択肢はあり得ない、ということがこの例からもご理解いただけるのではないかと思い、ご紹介してみました。
ただし、GPzのシリンダーがすべてこのようになるということではなく、使用状況などによっては問題のないものも当然あります。しかし、この問題は鋳鉄スリーブが根本的に抱えている問題だということの例としてご紹介したものです。
アルミメッキスリーブICBMR をご採用いただければ、この問題を完全に回避できます!シリンダーバレルもスリーブもともにアルミになれば、膨張率がほぼ同じになるからです。
さらにもう一点。
実は今回のご依頼はバレルアップ(大きい径のピストン/スリーブを入れるためにシリンダーのスリーブの入る孔を拡大する加工)のご希望でした。この加工をすると、本来の純正スリーブより孔が大きくなるため、バレルの構造上バレル内径が破けてしまう可能性が高いのです。上でご覧のような状態でさらに破けてしまってはどうにもならなくなります。
ここをICBMR (アルミメッキスリーブ)にすることで、仮に破けても膨張率のほぼ等しいアルミ同士ならスリーブとシリンダーバレルの高い密着を実現してオイルの侵入を食い止めることが可能なんです!!
この点だけでなく耐久性・軽量・滑りがよく焼きつきにくいなど、多くの美点を持ったZ1/Z2-ICBMR については下記の動画でもご紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。
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