2017年09月25日

移動の自由について

近未来の交通システムの動画をネットでみかけました。
エクゼクティブな美しい女性がオフィスビルのエントランスを出て行くと、
それに合わせてスーっと無人のEVが滑るように迎えに来て、女性はそのクルマに乗って出かけて行く。

近未来にはクルマを個人で所有する人は数少なくなって、ほとんどのクルマは交通システムの一部になってしまう。どんな都合にも合わせてAIの交通システムが必要な時に必要な場所にクルマを配置してくれるのなら、確かに実用としては自分でわざわざ所有する必要もなくなってしまうでしょう。
充電に時間のかかるEVでもこういうシステムの中でなら、なんら不都合はないのでしょうね。

はて、そういう時代が来た時、バイクは一体どうなっているんでしょうか。
そんな時代にもまだ内燃機関を積んだ乗り物は存在意義があるのでしょうか。

確かにAIや交通システムの進化によって、移動の自由を保障するという点ではもう個人所有のクルマやバイクは必要がなくなっていくというのは理解できます。

でも、「用が足りればそれでいい」ということにならないのが人間のやっかいなところであり、また素晴らしいところですよね?

おそらくそんな世の中になっても、どうしても「自分の手でクルマを運転したい。」「バイクでエンジン音と対話しながら風を切って自然の中を走りたい」というわがままな人間の欲求はきっとなくならないのだろうと思います。
どうしても不便であっても無駄であっても12気筒のフェラーリに乗りたいんだ、という人もきっといるでしょう。

というか、内燃機屋である僕らのような仕事をしている人間はそこに賭けるしかないのだろうと思っています。

だとすれば、僕らもただ「性能のいいエンジン」や「精度の高い加工」を「より早く」「安く」提供するというようなことでは、これからは見向きもされなくなっていきそうです。
いや、かならずそうなるでしょう。

不便だけれど最高に美しいクルマ。危険ですらあっても生きていることを実感させてくれるモーターサイクル。不便で危険で高価で無駄な乗り物なのに、それでも愛される理由をもっていなければ、これからはクルマもバイクも生き残っていけないのではないか。

iBは「移動の自由を保障することによって人を幸せにしよう」そう考えてやってきましたが、これまではそれでよくても、近未来にはおそらくそれだけでは足りなくて、もっと別の価値を提供しなくてはならなくなるのでしょう。

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「価値のある移動」を提供できる乗り物。そしてそれを支える技術。
そういうことがこれから我々にも必要になっていくのだろうと思います。

「価値のある移動」とはなにか。それを真剣に考える必要がある、と思っています。



posted by sotaro at 14:11| 埼玉 ☔| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確か、アイ・ロボットという映画で、ウィル・スミスがカジバのF4に乗って、パートナーの女性に

「ガソリンで動くの!?」

と驚かれるシーンがあったように思います。今年公開のX-MENウルヴァリンでは、自動運転トラックが、ウルヴァリン達を厄介ごとに巻き込むきっかけになってました。

ヨーロッパではガソリン車を禁止する動きも出てきていますので、遠からぬ未来には、そうなっているのだと思います。

そうなってしまうと、バイクに乗るという行為は陸上競技と同じように、トラック(コース)の中でやるもの(乗るもの)で、普通の道でやることではなくなってしまうのかも知れません。

でもそれはイイ事なのではないかと期待しています。石油とコンクリートの時代の終焉です。それでも小さな内燃機の需要は少なからず残ると思いますので、例えばアルコールで動くだとか、木炭で動くだとか、石油ではないエコな燃料で動く内燃機の復権に繋がるのではないかと。
Posted by ヨシムラさん at 2017年09月25日 19:32
ヨシムラさん様、お久しぶりです。更新のないここをまだ読んでくださっていたんですね!ありがとうございます!!(^o^)

英仏中などの動きもまさにこの方向ですよね。たかだか20年程度で完全に内燃機関が無くなってしまうことはないにしても、でも減少の一途をたどるとすれば、大メーカーには死活的な打撃があることでしょう。エンジン部品メーカーなどはどうするのだろう、と心配にもなります。
iBはそういう未来を10年前から見据えていて、水素燃焼エンジンのバイクの開発などもやってきているので、いまさら驚きはしませんし、(木炭はCO2いっぱい出そうですね?(^o^))全体としてはそれは「イイ事」だという点、大賛成です。

ただ、やはり身のふり方は真剣に考えておかなくてはいけないし、例えば正確無比なクォーツや電波時計が全盛の世の中でも、最も価値ある時計が「機械式」時計であってそれが憧れを集めているように、発電や乗り物がゼロエミッションのEVになった結果もはや多少のCO2排出が温暖化に影響しないような近未来世界で、エンジンのついた乗り物が「機械式」自動車や「機械式」バイクとして賞賛を集められるように努力していく必要があるのではないか、と考えています。
Posted by iB井上 at 2017年09月25日 20:53
社長お久しぶりです。
先日面白い記事が有りました。

ネズミを使った実験で、4回押すと餌が出る器具と
1回押すと餌が出る器具を用意した場合、ネズミは
4回押す器具の方でエサを得たと言う内容です。

便利になった際に「不便の対価を求める事」が
ある程度知能が有る生き物の性かも知れませんね。

なので「未来的移動手段は素晴らしい」と思います
けど(呑みに出掛けた際に飲酒運転で捕まらない)
「アナログなちと苦労を伴う機械の淘汰は無理なのでは?」
と俺は思います。

現在東南アジア産の単車が安く提供をされてるので
若い方々が単車へと興味を持ち、乗っている光景を
見掛けますが。

もしかしてネットやSNS等での「仮想現実に飽きた方々」が
自分でコントロールするモノを求めた末に、単車が
再評価されて、乗ってるんじゃないかなぁ?と思います。
(スポーツ自転車も同じくですね)

趣味性の高いモノは、利便性をあまり求めずに
自分で何とかしたいのでは?と感じました。

そんな方々も含め「愉快な時を作れるモノづくりを
行ってる井上ボーリングさん」には今後も期待してます。

余談:電気自動車やガソリンの代替エネルギーを作る際に
結局設備建設投資をしたりで「原油を消費する」のですよね。

ソーラ発電も効率が悪いですし、廃棄問題が未だに解決
されてない様ですね。劣化したパネルの再処理なのです。

エコエコ騒いでる方々は、こういう事を考えないのだろうなぁ?
Posted by ゆめおり@R1-Z黒 at 2017年09月26日 11:10
ゆめおり@R1-Z黒 様、いつもコメントありがとうございます!(^o^)

若い人がそういう流れでバイクに面白さを見出してくれるとしたら、すごくイイですね!

ご期待ありがとうございます。(*^^*)

余談の件は確かにその通りなのですが、それでもそれを乗り越えてクリーンな発電やクリーンな乗り物が大半になることには賛成ですし、それを後押しできるものならしたいと思います。
Posted by iB井上 at 2017年09月26日 12:07
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