H2Rと言えば当時世界最速を誇った70年代のレーサーで、昨年世界最速記録時速400km/hを出したというNINJA "H2R"のネーミングもこのバイクからとられているのだろうと思います。

H2Rレーサーの詳細はこちらなどご参照ください。
http://www.mr-bike.jp/feature/zrx/007/06.html
そのH2Rを健正さんが入手され、クラシックバイクレースLegend of Classicに出場されるにあたって、iBにシリンダーのICBM(R)化をご依頼くださったんです。以前にもH2-ICBM(R)をお納めして高い評価をいただいたことが今回のご用命にもつながったものと思います。
当時世界最速のバイクだったH2、ただそのシリンダーには異常磨耗・ピストンの首振りなどの欠点がある。


画像はH2の偏磨耗の状態です。
それをiBの技術ICBM(R)なら解決することができる!
かつての世界最高のエンジンにさらに現代の技術を投入することで世界最高のシリンダーをつくることができる!!
iBはこんな機会に恵まれたんだ、と思いました。なんと光栄なことでしょうか。
H2Rスリーブを削り落としたところ。
H2Rには市販のH2と違って、もともとINTAKEにもEXHAUSTにもちゃんと柱がたっているんです。
柱が必要で有用なことは当時のKAWASAKIも認識していたことになります。
H2R-ICBM(R)では柱はきちっと再現し、さらにEXの柱にはiBの得意技術「柱の逃し」も実施してあります。

完成したシリンダーはすでにOVER RACINGさんにお納めしてあります。
4月のLOCには間に合いませんでしたが、このあとのいづれかのレースでデビューを果たすことになります。いまから楽しみで仕方がありません。
H2R-ICBM(R)の製作に関わった全員で記念に写真を撮りました。
このシリンダーを作ることができたことは、今後のiBにとって大きなエポックになるのではないかと考えています。
「世界最高のシリンダー」その定義はいろいろとあり得ると思います。
でも、当時世界最速だった市販バイクのH2そしてレーサーH2R。そのシリンダーに最高の技術を投入した今回のH2R-ICBM(R)もある意味世界最高のシリンダーといえるのではないか。iBはそう考えています。
今後、この技術をさまざまな2ストシリンダーを高耐久化し、軽量・放熱性・すべり性・焼き付きにくさに優れた理想のシリンダーを投入することで、とかく耐久性に劣ると考えられがちな2ストバイクそのものの価値まで高めていけるのではないか。
無謀な試み。そうなのかもしれません。でも、、、、。
かつて2スト好きが高じて「2スト水素バイク」まで創ってしまったiBが、今度は世界一のシリンダーを創ってしまいました!
絶滅危惧種である20世紀の遺産2ストバイクを未来に残していくために。
iBはICBM(R)の技術をできるかぎり多くのバイクに採用していただけるよう、努力していきたいと強く願っています。
2ストロークファンの皆様の応援を切にお願い申し上げます。m(_ _)m