2010年01月08日

面研磨のご紹介

今日は珍しく仕事の話をします。c(^^;;;

当社では面研磨をフライス加工のような研削(刃物による削り)ではなく、
砥石による本当の平面研磨機で行っています。

内燃機加工では昔から削りによる面研削も慣習的に「面研磨」と呼んでいて、
当社でもそれは同じですが、ただ、現在は当社ではほとんどの面研磨をほんとうに「研磨」でやっています。

これがいままさに研磨をしようと機械に取り付けたところ。


 



左右の爪でヘッドを固定しますが、注目は台との間に挟まっているシム。
0.01mm単位で正確に平行を出して固定するんです。

 



 ダイヤルで正確に平行がでるまでシムで調整します。

 



 これはシリンダーの研磨なので、スリーブの鋳鉄部分ではこんなに火花がでます。

アルミ部分ではでません。

テーブルが結構な速さで左右にかっちゃん、サーサー、かっちゃん、サーサーと移動して研磨をしていきます。
でも、一回に研磨する量は0.005mmか0.01mmくらいづつです。
これを何回も何回も繰り返します。ほんのちょっとづつ研磨していくんです。


 その最後の仕上げ前に大小2種類の金属ブラシを使って段差のエッジ部分の面取りをします。

仕上げてしまってからでは面に傷をつけてはいけませんからね。

仕上げ直前にやるのがポイント。ここらへんが技師(職人)の細かい心配りなんですよね。

面取りなんてはじめからいっさいやらないボーリング屋さんも多いようです。

 でも、なるべくお客さんが手を切ったりしないようにしたいですものね。




 加工後にはていねいに何度も洗浄し、エアをかけ、錆び止めの油をつけます。

細かい砥石の滓が残らないように。


ただ、これはあらゆる加工に言える事ですが、
ウチでももちろん丁寧に洗浄しますけれども、お客様にも組み立て前には洗浄とパーツのチェックを
していただけるようにお願いします。

 


 上が研磨後、下が研磨前です。


研削と研磨を比べますと研磨の方が


1.面粗度がずっと高い。見た目にもかなりきれいです。
研削ですと、刃物のツールマークが残りますが、砥石の場合にはわかりません。

2.平面度も高いです。
平面度というのはどれだけ「まっ平」か、ということです。

3.取り代を最低に設定できます。
通常フライス盤や同様の伝統的な平面「研削」機ですと最低限のご依頼でも0.2-0.3mm加工してしまうと思います。
ところが研磨機の場合は上のように正確に平面を出して固定すれば、0.01mmだけ加工するということが可能なんです。

例えば0.05mm面に歪みがあった場合、0.06mmだけ加工すれば面がきれいになるということなんです。
おわかりだと思いますが、つまり圧縮はこれ以上あげたくない、あるいはバルブとピストンのクリアランスが少ない
という場合にもほとんど寸法を変化させずに(圧縮をあげずに)面研磨ができるということになります。

4.研磨量が正確に管理できる。
もちろん逆に圧縮をあげる必要があればその寸法まで正確にとる量を調整できます。
0.5mmの指示なら0.50mm~0.51mmの範囲で加工するなどということができます。これは研削に比べると一桁上の精度です!

加工による不要な変化なしに面研磨のメリットだけを享受できる、ということなんです。
ただ、あまり取り代が多い場合には能率の点ではちょっと加工がたいへんです。

このように(株)井上ボーリングの平面研磨はいろいろと考えて最良の結果を得られるように工夫しています。

シリンダーのボーリング、ヘッドのシートカットなどのご依頼の際には、ぜひ面研磨についても併せてご検討ください。

例えば、ボアアップの場合などを考えると、燃焼室の容積を拡大などしないかぎりは以前より圧縮があがります。
また、エンジンの出力があがるという事はそれだけ強い爆発がシリンダー内で起こるということです。

この圧縮をシリンダーとヘッドの面がぴったりとくっつくことで逃さないようにしているわけです。

以前より強くなった爆発力を受け止めるこの部分もしっかり仕上げておく事は
とても重要だと思います。

費用を抑えようということかとは思いますが、かなりのボアアップをしながら面研磨は省略というご依頼も実際にはあります。

でも、できれば面研磨も一緒に実施していただきたいなあ、と
以上のような理由で私どもでは考えています。

よろしくご検討ください。








 


posted by sotaro at 09:11| 埼玉 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 加工のご紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ローラー型の研磨機なんですねぇ
どういうタイプの研磨機か想像つきませんでした。
面精度がそれほど必要なければフライスで切削で
十分でしょうが、取り代も増えますからネェ。

どうもこの辺の面研というと、平台にコンパウンド蒔いて
面出ししてるイメージが・・(爆
Posted by BEAT at 2010年01月08日 10:13
BEAT様、いつもありがとうございます。

そうそう、雑誌でもガラスの上で研磨してたり、っていまだにありますよね。
僕らからすると、よくそんなたいへんなことするなあ〜〜!!って驚いちゃうんですけどね。
Posted by IB井上 at 2010年01月08日 13:17
お世話になります。
今、ビートのシリンダーを加工依頼しているものです。ヘッドの面研はするつもりでしたが、あまり圧縮を上げたくなかったので、シリンダーは見送るつもりでした。やはりシリンダーも面研必要ですかねぇ。
Posted by たぶち at 2010年01月08日 21:08
歪みがなければ必要ないでしょう。
その辺は歪みがあるなら最低量で、なければそのままでと言う
指定をすればそれでやってくれますよ。
1基はそう指定して歪み無しで無加工で戻ってきていま
9100rpm回して走ってます。
もう1基スリーブ入れた物は0.05mm以下の面研で戻ってきました。
一度OHさせていたにもかかわらず歪んでいなかったようで。
Posted by BEAT at 2010年01月09日 13:14
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