2023年11月22日

2スト水素バイクの技術解説 5

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ここで突然みなさんに質問ですが、2ストのピストンには大体トップとセカンドの2本のピストンリングがついています。
4ストのピストンにはそれに加えてもう一組「オイルリング」がついてリング3組の構成になっているものが多いですね。

さて、このオイルリングはなんの仕事をしている、と思いますか?

多くの方はオイルを掻き落とすのがオイルリングの仕事だろう、と思っているのではありませんか?実は自分もそう思っていました。
でも、今回2スト水素バイクを開発するにあたって、あらためて考えてみたんです。

2ストの場合には混合気に混じったオイルがクランクシャフトも潤滑するし、そのまま燃焼室にも入ってピストンリングも潤滑する。上から下からオイルがリングまで届くのだろうと思います。

ところがそのオイルが潤沢そうな2ストにはオイルを掻き落とす(?)リングはついていない。
4ストの場合はクランクケースにはオイルがいっぱい入っていて、これが様々な方法で、シリンダー内壁に届けられるように工夫はされています。でも、下からだけですよね?一見2ストよりは、上までオイルは届きにくそうです。

それなのにわざわざオイルリングを追加してオイルを掻き落とす必要がどうしてあるんでしょうか。
オイルリングでオイルが掻き落とされ、さらにセカンドリングで掻き落とされ、一体オイルはどうやってトップリングまで届くのでしょう。

「さああここで、iBが得意なプラトーホーニングが威力を発揮します。ピストンリングが摺動する面は通常ホーニングの1/10の滑らかさでありながらiBの超絶技巧によって深いオイル溝が刻まれているので、ここに滞留したオイルがトップリングを潤滑するのです。」

などとしたり顔で言ったりしていますが、本当にそれだけでトップリングはじゅうぶんに潤滑されるものなんでしょうか。不思議な感じがしますよね。トップリングはずいぶん過酷な条件の下で仕事をしているようにみえます。

この辺りのことを色々な人に尋ねてみるのですが(現在ピストンリングメーカーさんにもお問合せをしています。)なかなか明快な回答が得られていません。

実はオイルリングは過剰なオイルを掻き落とす一方で、必要なオイルをシリンダー上部に供給する役割を果たしているのではないだろうか。
だから4ストにはオイルリングが必要なのではないだろうか。
というのが現状の仮説なんですが、こういうことも含め、全てこれからの2スト水素バイク開発の過程で色々と実験して確かめていくしかないだろうと考えています。

2号機もこの後の実験の初期段階では、2ストオイルを供給して、煙を出して走ろうと思っているんです。
煙を吐かない2ストの可能性についてお話しすると言いながら期待はずれかもしれませんが、これなら焼き付く心配はないでしょう。そこから始めて最終的には煙を吐かないでも潤滑する方法があるのかどうか、これを試していきたいんです。

そして、この方法で期待するような性能を発揮するようなら、オイルの量を減らしていくことになるでしょう。
どこかの時点ではきっと焼きつきも経験することになるでしょう。

でも、任せてください。そんな時こそ、我々内燃機屋の出番ではないですか!(^o^)
むしろここにこそ、内燃機屋が水素バイク開発などというとんでもないことに挑戦する意義があろうってもんです。
再メッキでも、スリーブ製作でもドンとこい!です。わはは。(^o^)

と言ったところで、
どんな実験を想定しているか、またまた項を改めて次回お話ししたいと思います。

CAMPFIRE 2スト水素バイクへはこちらから。
https://camp-fire.jp/projects/view/655105
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2023年11月17日

2スト水素バイクの技術解説 4

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さて、先日筑波で公開走行を果たした1号機ですが、これスロットルをうんとひねって加速すると、煙が出るんです。
1号機のエンジンの構造はざっくり言うともともとのTY250Sの2ストエンジンに燃料噴射システムを搭載した、それだけのシンプルなものです。エンジンの潤滑はエアバルブの役割をしているキャブレターのところから2ストオイルをオイルポンプで吹き込んでいる仕組みがそのままです。
煙が出るのは当然ですね。

エコバイクなのに煙が出ちゃうの?(笑)
と言うのも当然の反応ですが、そこで僕たちも考えました。
この2ストオイルに昔懐かしい、いい匂いのするカストロールのような植物製の2ストオイルを使うんです。そうすると植物が生育する間にCO2を吸って、それを燃やしているのですからこの水素バイクは
「カーボンニュートラルじゃないか!」と言い張るわけです。(笑)
バイオディーゼルなんかと同じ発想ですね。

元々ガソリンとオイルの混合比は50:1などですから、(ガソリンとオイルを構成するCO2の比率が同等だとすれば)ガソリンをやめて水素にした時点で98%のCO2を削減している計算になります。さらにそこに植物製オイルを使っていれば、確かに見た目は煙が出ているけれども、そのくらいはおおめに見てください、2スト乗りだったら煙はすきでしょ?
こう言って済ませてもいいくらいのものだと思いますが、いかがでしょうか?(笑)

ところが、1号機を開発して気づいたことがありました。それはなぜかクランクシャフトがベッタベタにオイルまみれになってしまうんです。考えているううちにわかったのですが、ガソリンはものを脱脂をする効果がありますよね。オイルに濡れた部品をガソリンで洗うことで、きれいにオイルがなくなって乾いた部品を手にすることができます。

2ストエンジンではガソリンがクランクケース内を通過せざるを得ませんから、このガソリンがクランクシャフト(や他の部分を)脱脂してしまっているわけです。そのためにそこを潤滑するために大量のオイルを必要としています。
ところが水素バイクではガソリンを使っていません。クランクシャフトが脱脂されることもないので、潤滑のための2ストオイルはその分かなり少量で済むことがわかっています。

その昔、ビモータのデュエという2ストバイクがシリンダーへのガソリン燃料噴射を採用していて、排気がきれいであると謳っていました。それはこのことを言っていたんですね。デュエに限らず燃料噴射をシリンダーに行うタイプの2ストエンジンではオイル消費はかなり減少させることができ、排気もそれだけクリーンなものになります。

実は2号機ではこの問題をさらに進める方向で開発を進めているんです。
すでに発表しているように2号機は2ストの基本的な構造であるはずの一次圧縮をしないエンジンにすることになっています。この最大の目的はクランクケース内に水素が入って異常爆発を起こすことを完全に回避することです。

ですが、そのために燃料はいっさいクランクケースを通過せず、クランクケースは4ストと同様に独立した密閉した構造になります。クランクシャフトはオイルに浸かっている状態です。

もうお気づきだと思いますが、これなら、4ストと同様の潤滑の仕方となり、排気も4スト同様にきれいになり、煙を吐かない2ストエンジンができるのではないか?ということになります。

この点についてはまだまだ検証しなければならない点が多いので、また項を改めてお話しを続けたいと思います。

次回解説5では煙を吐かない2ストエンジンの可能性についてお話しする予定です。

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2023年11月14日

「Z祭」@淡路島 出展!

あのPMCさん主催の「Z祭」@淡路島に参加してきました。

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今回iBの新製品「Z1コンロッドキット」をPMCさんにお取り扱いいただけることになり、その記念に出展要請をいただいたんです。
イベントではiB Ladyのあやさん多井子さんもじゃんけん大会で大活躍‼️
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ものすごい数の熱心な参加者にご質問に対応しました。

いつもはレースに出展していますが、このイベントの場合はブース出展がメインなので、お客さまの製品に対する熱さが違うんです。
ICBMR についてもまだまだ関西では内容をよくご理解されていないお客さも多く、それだけ出展の意義も大きかったと思います。

水素バイクも注目の的❣️

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忙しかったけど、ものすごく意義深い関西出張になりました。
ご来訪のみなさま、本当にありがとうございました〜〜!!!!
posted by sotaro at 10:12| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月09日

胸が熱くなるたくさんのメッセージをいただいています。

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リターンをいただいたみなさんから同時にコメントもいただいています。
こんなにも想いが伝わるものなんですね。ほんとうにありがたいです。


・バイクに携わる方々の素晴らしさに感動しながら記事を拝見させて頂きました。頑張って下さい。バイクって素敵な乗り物ですね!

・幼少の頃(40年?前)、父と共にモトクロスを楽しんでいました。初めて乗ったバイクがYZ50、その後CR80、CR125とステップアップしていきました。免許取得後はTDR250が愛車でした。本当に2ストの加速は刺激的でした。是非、後世に残してください。

・カーボンニュートラルが、そして貴社がエンジンのイノベーションを加速することを期待しております。

・応援しています!自分にできない事をやっていってくれるから楽しみにしています。

・YouTubeのRIDE HIの紹介動画を見て来ました
応援しています!頑張ってください!

・RIDE HIで知りました。応援しています!頑張ってください!

・バイカーズステーションのダッチランでお会いした**といいます。SRX250のボーリングをしていただいたこともある者です。
21世紀の啓蒙も読みました。。
ちょっとでも技術の進化に貢献できればと思い参加させていただきました。
井上さんとお会いできること楽しみにしています。

・いつもレースサポートありがとうございます。微力ながら応援させてください。@もとリトラの改魔人

・バイクや車が好きで、この先もエンジンが無くならないで欲しいと思っています。
環境に優しいけど、ドキドキが感じられる水素エンジンのバイクに乗れる日を楽しみにしています!

・いつも楽しいことを考えられますね!
ぜひ実現に向けて頑張ってください。
応援しています。

・内燃機関をクリーンなエネルギーでも存続出来ないかと模索されている、素晴らしい取り組みを支持いたします!
日本の企業の底力を魅せてください!
心より応援しております!

・応援しています!頑張ってください!色々とお世話になっております。愛機Rz250もお陰様で元気いっぱいです。楽しんでます。2スト水素バイク楽しみにしてます。頑張って下さい。

・2ストロークエンジンの愛好者として、プロジェクトの趣旨に大賛同!
大いなるチャレンジの成功を楽しみにしております。


ますます、開発に真剣に取り組みたくなりました。見事に2スト水素バイクをバイーン!と気持ちよく走らせて、みなさんに喜んでいただきたいです。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。

posted by sotaro at 19:25| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 水素バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月07日

70周年記念イベント開催!

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今年iB (株)井上ボーリング は創業70周年を迎えることができました!
(20名限定)完全予約制で記念イベントを開催いたします!


日付:2023年11月23日(木曜日)祝日

場所:井上ボーリング 川越本社工場内

時間:AM9:00〜PM12:00。

イベント内容といたしましては

@工場見学(実際に工場内は全て稼働いたしますのでその様子を見学していただきます)

AICBMR、ラビリンス、NSRバックステップ等 開発製品展示会

B水素バイク公開走行展示

CIB Concours d’ Elegance (iBコンクール・デ・エレガンス)表彰式
(表彰されるバイクにつきまてはイベント参加者による投票で決めさせていただきます。)

有名YouTuberやバイクショップ、iBレディや雑誌関係者なども来ていただく予定となってお
ます!エンジンのことで聞きたいことなど、技術者に直接聞いていただいてOK!

IBレディやYouTuberとの写真もOK!普段は見られない中身を是非ご堪能下さい。
大変恐れ入りますが当日は20人限定完全予約制とさせて頂きます。

ご参加をご希望される方はコメント欄に書き込みをお願い致します。

それでは当日、お会いできるのを楽しみにしております。
posted by sotaro at 11:32| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月06日

TOT 出展 ICBMR(iB Coffe Break Meeting)大成功❣️

TOTでのiBブース出展、ICBMR(iB Coffe Break Meeting)大成功でした❣️
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ほんとうにたくさんの方に水素バイクを見に来ていただいて、
張り切ってその意義を解説させていただきました。

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また今回展示したNSR MC18バックステップキット2セットも完売。
ICBMR やLABYRIR、H2削り出しヘッドなども注目の的。

そして2日目のお昼には
「たぶん世界初2スト水素バイク公開走行展示!!」も実施。

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ほんとうはバッチリウィリーを決めてやろう思ったんですけど、
ちょっとしか上がりませんでした。(練習不足ってか、ぶっつけ)(^o^)


皆さん、本当にありがとうございました!!!!



次は来週末、なんと淡路島でPMCさん主催の「z祭り」に参加します。
滅多にないiBの関西出展機会なので、関西の方は、是非是非遊びに来てください!


CAMPFIRE 2スト水素バイクへはこちらから。
https://camp-fire.jp/projects/view/655105L2840186.JPG
posted by sotaro at 10:23| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 水素バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月03日

RIDE HI No.15 Youtube動画好評です!

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RIDE HI No.15の動画、すでに3,000人以上の方にご視聴いただき、いいね!もいっぱいついて好評のようです。良かった!

この動画を作ってくれた根本健(ネモケン)さんは、僕の若い頃からの憧れの人です。
WGPにプライベートで参加されて、もうそれ自体が超カッコよくて、人って意思があればなんでもできるんだ!って若い頃の僕を刺激してくれた人でした。

その後、RIDER's CLUBの編集長をされて、この雑誌がほんと凄くて、もう毎月発売が楽しみで仕方がありませんでした。WGP情報はこの雑誌から得るしかなかったんです。ちょうどケニーとスペンサーが激烈なチャンピオン争いをしていた時代でした。

他にも中沖満さんの連載「鉄と心とふれあいと」で旧いオートバイへの愛情を掻き立てられ(これは今の仕事とも直結)、さらには万澤安央さんのトライアルの記事に夢中になって、のちにはイーハトーブトライアルも参加させてもらったり。

考えてみると今の僕の世界観にものすごい影響を与えてくれた雑誌でした。自分の雑誌好きの原点もRIDER's CLUBとあとは当時のPOPEYEとかの影響だったんだろうなあと思います。

あと、画像に出てますが、采女華さん!
すっごい美人なんですよ。写真でも綺麗ですけど、ほんものはさらに綺麗でした。会ってびっくり!

僕、割と美人を見慣れてると思うんですけど(^o^)、それにしてもほんとにきれいな人です。しかもキレイなだけじゃなくて、バイクにも乗ってて、バイク関連のフリーペーパー(Booyah)も出されてるんですね。
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https://booyah.jp

華さんも何かメディアに対する想いのある人なんでしょうね。こうして動画に出演したりフリーペーパーを出したり。華さんが編集長を務めるBooyahは
クラウドファンディングで創刊されたのだそうです。現在第8号。

自分も雑誌の出版にずっと憧れていました。
一時はモーターボートの雑誌4誌くらいにトーイングボートの記事を書きまくっていたこともあります。現在もオートバイの雑誌にコラムを持たせてもらったりしています。

映画やテレビの制作などとは違ってデザイナーやカメラマン・ライターに編集者など少人数の気の合う人たちと制作して、それでいて絶大な影響力があった雑誌というメディアに僕はすごく憧れていました。

そのことは内燃機屋という仕事を継ぐことになった後も、情報発信力という点ですごく僕を助けてくれたと思っています。雑誌の人たちの気持ちがわかるので、一緒に仕事がしやすかったのではないかと思います。

そして、今もiBの広報誌として紙のSHERPAを発行していますし、そのまたウェブ版がこの"Web SHERPA"というわけなんです。

それにしても、フリーペーパーを主催しているという華さんを、僕は羨ましいと感じてしまいます。その想いがつのったその先で、あろうことか自分はある意味「"iB"というメディアを主催しているのだ」とも思いたい気がすることがあるんです。

第二次産業に属すると思われる内燃機屋といえども、単に工作機械で部品を精度良く加工しているだけでは済まない時代が今なのではないでしょうか。

製品やサービスに物理的な価値=軽さや耐久性・耐蝕性(いわゆる性能)といった実利的な価値はもちろん必要です。でも、それだけでは今の時代に十分な価値を得て人々から求められることにはきっとならないのだろうと思うんです。

便利さや経済性、物理的な価値を超えて、何か文化的な価値やアートとしての価値を企業や製品が獲得することを求められているのではないかと思います。それをブランディングという言葉にしてしまうと、いかにもマーケティングといった商売の話に聞こえてしまいます。

そうではなくて、人が生きていく上で欠くことのできない価値・生きることの意味のようなものを人々が求めているから、それに応えることが企業にも一人の人間の存在にも求められているのではないだろうかということなんです。

これはすごく難しい問題のようにも思えますけれども、しかしむしろ僕はそうであったほうが嬉しい、と何故か感じます。

何故なんでしょう。だって、この問題と格闘して生きていくことは、本来人間に必要なことだし、その日々の格闘がもし人々から賞賛に値すると見てもらえることがあるとしたら、その戦いを続けていけるのは人として本望だと言えるんではありませんか?

なんの話をしてるんだかわからなくなりそうですが、、、、でもね。
「2スト水素バイク」なんていう訳のわからない、しかも絶対に利益を産みそうもない開発をやろう!なんていうことの背景には、実はこんな価値との格闘が必要なんだということをできれば知っていただけたら、と思うんです。

町場の小さな内燃機屋が、世界の大企業でもつい最近までやろうともしなかったカーボンニュートラルに向けての戦いをもう20年も続けています。

「エンジンが世界からなくなったら、内燃機屋もいらなくなってしまう。」

自己の存在意義を深く考察することなしにはできないこと。
そんな理由づけがあったとしてもあまりに無謀な挑戦。

iBの水素バイクっていうのはそんな試みなんです。

もし良かったら、ぜひ応援購入してください。

CAMPFIRE 2スト水素バイク
https://camp-fire.jp/projects/view/655105
posted by sotaro at 09:36| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 水素バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月02日

2スト水素バイク1号機の走行展示!

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今回も[iCBM] iB Coffee Break Meetingということで、皆さんのお越しをお待ちしています。
コーヒーを淹れる間は水素バイクの解説に付き合ってください。(^o^)230514_DC_3659L.JPG230514_DX_2174L.JPG

エンジンを未来に残す、創業70周年iB (株)井上ボーリングの取組です。
クラウドファンディングCAMPFIREのご案内もしますので、ぜひ応援購入お願いします。

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また15時頃からはなんと
2スト水素バイク1号機の走行展示を暖機場で実施します❣️

どんな音がするの?匂いは?振動は??
ぜひ、多分世界初の2スト水素バイクを体感してみてください!
動画撮影・SNSアップ大歓迎です!(^o^)

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CAMPFIRE 2スト水素バイクへはこちらから。
https://camp-fire.jp/projects/view/655105
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2023年11月01日

2スト水素バイクの技術解説 2

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前回、クランクケースに水素が入ってしまうと、クランクケース内で異常爆発が起こり、これが水素バイク1号機の解決できない課題となってしまったところまでお話ししました。

iBは水素燃焼エンジンを2ストでやろうと考えたわけですが、やってみると多くの点で2ストエンジンは水素燃焼に向いていることがわかりました。腰上ではいろいろな点で異常燃焼が起こりにくいのです。この利点については2号機の解説の時にお話しします。

ところがこと腰下となると、4ストロークの方が有利なんです。何しろ、ご存知のように4ストロークエンジンでは混合気は直接シリンダーヘッドから燃焼室に入るので、クランクケースを通過しません。クランクケースは独立した空間でそこにはエンジンオイルが入って密閉されています。ここに水素は初めから入る理由がないんです。

ところが2ストロークでは混合気ははじめにクランクケースを通って、そこで一次圧縮されることでシリンダー内に押し込まれる構造になっています。

もちろん、1号機でもケースに水素が入りにくいように空気がクランクケースから燃焼室に入る直前に掃気ポートに水素を吹き、その直後に点火・爆発することで水素が水素のままで存在する時間を最小にする工夫をしています。

それでも4ストロークのようにクランクケース内が完全に独立・密閉した空間になっているのと違って、掃気ポートはケースの上下を繋いだ構造になっています。そうすると、どうしても未燃焼の一部の水素がクランクケース内に侵入することを完全にゼロにすることはできないんです。

この問題を解決できずに10年近い月日が流れてしまいました。ところが、ここで一つの発見があったんです。それはiBが開発して大好評をいただいている2ストの銘車HONDA NSR用のラビリンスシール(LABYRIR)の性能確認試験をしているときに気がついたことです。

NSR用のLABYRIRがきちんとシール性能を発揮しているか、測定しようとした時のこと。まずは純正のゴムシールで計測し、次にLABYRIRで計測したのですが、いずれの場合も測定値は大気圧に対して0.4~5倍程度(大気圧との合計計測値で1.4倍程度)の低い圧力上昇しかしていないことがわかったんです。LABYRIRのシール性能は間違いないことが確認できてよかったのですが、それに加えて一次圧縮がこんなにも低い値であることを知ったのが僕たちにとって大きな発見でした。

一次圧縮というのがこの程度の低いものであるなら、何もピストンの上下する複雑な機構を利用しなくても、簡単に圧縮することができるのではないか?と気がついたんです。

そこで検討したのが「電動スーパーチャージャー」というものです。これは1号機を開発した頃にはまだ世の中に広く出回っていませんでした。ですが、現在では大小様々なタイプのものが出回っています。

一次圧縮をエンジンの機構を使ってやる代わりに、電動スーパーチャージャーで電気モーターの力で吹き込んでしまう。そうすれば一次圧縮のためのメカニカルロスもなくなり、さらには過給効果だって期待できるのではないか?

この発見がiB (株)井上ボーリングの70周年記念のその年にもたらされたのは、ただの偶然なのでしょうか。さらにスーパーチャージャーが入手しやすい時代になっていたことは?世の中の水素社会への機運がここに来て急に高まっている理由は?

本当の理由は僕たちにもわかりません。ですが、気づいてみると我々の周囲にはどういいうわけかチャンスが転がり込んでいたんです!!

続く


CAMPFIRE 2スト水素バイクへはこちらから。
https://camp-fire.jp/projects/view/655105
posted by sotaro at 15:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 水素バイク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする